ウクライナ情勢 国連安全保障理事会が緊急会合開催

ウクライナ情勢をめぐって国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、グテーレス事務総長のほか、多くの理事国が外交を通じた平和的な解決を改めて求めましたが、ロシアの国連大使は「この会合のさなかにプーチン大統領が特別な軍事作戦を決定した」と明らかにし、鋭く対立したまま終了しました。

国連安保理は23日夜、日本時間の24日昼前からウクライナ情勢をめぐって対応を協議する緊急会合を開きました。

会合の冒頭、グテーレス事務総長が発言し、ロシアがウクライナ東部に「平和維持」の名目で軍の部隊を送る構えを見せていたことについて「本当に作戦が準備されているなら、プーチン大統領に軍隊を止めるよう心の底から言いたい」と述べ、外交を通じた平和的な解決を改めて訴えました。

そして、アメリカなど多くの理事国がロシアに自制するよう強く求めました。

これに対して、ロシアのネベンジャ国連大使は「この会合のさなかに、プーチン大統領はウクライナ東部での特別な軍事作戦を決定した」と明らかにし、ウクライナ東部の住民を保護するためだと主張しました。

この発言を受けて、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「重大な緊急事態で安保理の行動が必要だ。あす、われわれは決議を議論するだろう」と述べて、ロシアを非難する決議案を安保理で協議する考えを表明し、会合は鋭く対立したまま終了しました。

国連 グテーレス事務総長「在任中で最も悲しい瞬間」

国連安全保障理事会の緊急会合の後、国連のグテーレス事務総長は記者団に対し、会合のさなかにロシアのプーチン大統領が特別な軍事作戦を実施すると明らかにしたことについて「事務総長としての在任中で最も悲しい瞬間だ」と述べました。

そのうえで、グテーレス事務総長は「プーチン大統領は、軍の部隊をロシアに戻すべきだ。この紛争を今すぐ止めなければならない」と強く呼びかけました。