国際

WHO 途上国でワクチン製造担う技術者の研修拠点 韓国に開設へ

新型コロナウイルスのワクチンの分配で、先進国と途上国の間で格差が生まれる中、WHO=世界保健機関は、途上国などでワクチンや医薬品の製造を担う技術者の研修拠点を韓国に開設すると発表し、将来のワクチン格差の解消に向けて人材の育成を進めたいとしています。
新型コロナのワクチンをめぐっては、国内での製造能力がある先進国などで3回目の接種が進む中、途上国では1回も接種できていない人が多くいるなど、格差が広がっていて、WHOは、将来的には途上国自身が生産能力を身につけていくことが必要だとしています。

WHOのテドロス事務局長は、23日の記者会見で「パンデミックの大きな教訓の一つは、低所得国と中所得国でのワクチン製造能力を早急に高める必要性だ」と述べ、さまざまなワクチンやがん治療に使う医薬品などの製造に向けて、途上国などの技術者を育成する研修拠点を韓国に開設すると発表しました。

WHOによりますと、韓国政府から首都ソウル近郊にある研修施設の提供を受けたということで、今後、各国からの研修生を受け入れ、途上国で質の高い医薬品を製造できる人材の育成を進めたいとしています。

WHOは去年、新型コロナのワクチンの1つ「mRNAワクチン」の技術移転を行う拠点を南アフリカに開設するなど、途上国が医薬品の製造能力を高めるための取り組みを加速させています。

韓国 ムン大統領「ワクチンの格差解消に寄与」

韓国保健福祉省によりますと、ことし7月から370人の研修生を海外から受け入れ、研修を始める予定だということです。

韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、自身のSNSにメッセージを掲載し「さまざまな国とワクチンに関する協力を強化し、世界的な危機の克服に取り組んでいることが評価された」と歓迎しました。

そのうえで「われわれの経験とノウハウを積極的に国際社会と共有し、ワクチンの格差の解消に寄与していく」としています。

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