3回目ワクチン 配送後に期限3か月延長 手書きで修正のケースも

新型コロナウイルスの3回目のワクチンは配送後に有効期限が3か月延長されたため、手書きで有効期限を修正するケースがあることから、接種後にその表示を見た人から不安を訴える声が厚生労働省などに寄せられています。厚生労働省は安全性に問題はないとして、安心して接種を受けてほしいと呼びかけています。

新型コロナウイルスワクチンは当初は有効期限が6か月とされていましたが、厚生労働省は去年、適切な保存方法で管理されている場合は品質が保たれていることが確認できたとして9か月までに延長されたと通知しました。

東京 中野区のクリニックでは先月から3回目の接種を始めていて、これまで高齢者を中心に1000人近くに接種しています。

今月に入り1月31日が有効期限とシールに印字されているワクチンが残っていたため、厚生労働省の通知に従って期限を3か月後の4月30日と手書きで修正して接種を行っています。

しかし接種後にシールが貼られた予診票を見た人から「安全性に問題はないのか」とか「副反応があったのは有効期限が切れたものだったからではないか」といった不安の声が10件ほど届いているということです。

また厚生労働省が設置したコールセンターにも同様の問い合わせや意見が複数寄せられているということです。

このクリニックには今月末に当初期限とされた6か月を迎えるワクチンがおよそ3000人分残っていて、来月以降も修正が必要なため、こうした問い合わせがさらに増えるのではないかと不安に感じています。
みやびハート&ケアクリニックの渡邉雅貴院長は「自分の体に入るワクチンが有効期限が切れたものではないかという大きな不安と混乱がある。現場で伝えられる情報量には限りがあり、国が安全性についての説明を丁寧に行ってほしい」と話しています。

厚生労働省は「メーカーのデータによると、ワクチンは製造から9か月がたっても品質は確認されていて、安全性には問題ないので安心して接種を受けてほしい」と呼びかけています。

厚生労働省「安全性に問題ない 会場などで情報提供を」

厚生労働省は去年10月、新型コロナワクチンの有効期限について、適切な保存方法で管理されている製品については、ファイザーは6か月から9か月に、モデルナは6か月から7か月に、それぞれ延長されたとして、自治体や医療機関に通知を出しました。

その後、モデルナについては、7か月から9か月に再度延長されました。

延長した理由について厚生労働省は「有効期限はメーカーがワクチンを一定期間保存したあとのデータを集めて設定するもので、製造から9か月がたっても品質が保たれていると確認できたため、メーカーからの申請を受けて薬事上の手続きを行った。すでに市場に出回っていて表示が古い期限のままのものもあるが安全性に問題はない」としています。

そのうえで国民への周知について「国としてもホームページなどに掲載して広報するが、対象となる人は一部なので、接種会場や医療機関など現場で接種するときにもきちんと情報提供を行ってほしい」としています。

SNSにも不安を訴える声

有効期限が延長されたワクチンの接種について、SNS上にも接種したとする人から不安を訴える声が相次いで投稿されています。

この中には接種済みのシールの画像とともに「調べたら国の方針で延長されたそうですが、賞味期限切れの刺身を食べたような不安な気分です」とか、「うちに帰ってきて接種証明書を見たら、有効期限、延長と。大丈夫なのか不安になりました」、「安全に打てますなんて、前回になかった熱はやっぱり期限切れワクチンだから?」といった声がありました。

また食品に例えて「お店の人に平気と言われて手書きで期限延長されたものを渡されたら食べますか?何で体に入れる薬品は大丈夫だと思うの?」という投稿もありました。