イラン大統領 原油輸出めぐるアメリカの経済制裁を非難

ウクライナ情勢などを受けて原油の価格が高騰する中、イランのライシ大統領は、世界有数の埋蔵量を誇るイラン産原油の輸出を妨げるアメリカの制裁を非難したうえで、アメリカとの協議を通じて制裁の解除を実現することも念頭に、原油などの輸出を拡大させたい考えを示しました。

イランでは、アメリカによる経済制裁で原油の輸出が制限されていて、アメリカとの間で現在行われている核合意の立て直しに向けた間接協議では、制裁の解除も含めた話し合いが行われています。

こうした中、イランのライシ大統領は22日、訪問先のカタールで、天然ガスの産出国の首脳らが参加するサミットで演説しました。

この中で、ライシ大統領は「国際社会は原油や天然ガスに対するアメリカの横暴な制裁のような一方的な措置の影響を受けるべきではない」と述べ、アメリカの制裁を改めて非難しました。

そのうえで「われわれは、世界の市場へのイラン産原油の供給増加や天然ガスの生産増加を通じ、イランの輸出力を増大させていく」と述べ、協議を通じて制裁の解除を実現することも念頭に、原油などの輸出を拡大させたい考えを示しました。

アメリカとイランの間接協議をめぐっては、協議を仲介しているEU=ヨーロッパ連合の高官が22日、「重要な局面で、交渉は終わりに近づいている」とツイッターに投稿するなど大詰めを迎えています。

ウクライナ情勢などを受けて原油の価格が高騰する中、制裁が解除され、世界有数の埋蔵量を誇るイラン産原油の輸出が回復していくのか関心が集まっています。