岸田首相「ロシアの行為強く非難 国際社会と制裁含め調整」

岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「独立の承認など一連のロシアの行為はウクライナの主権、領土の一体性を侵害するもので、国際法に違反し、『ミンスク合意』にも反するものであり、認めることはできず、強く非難する」と述べました。

そのうえで「今後、事態の展開について深刻な懸念を持って注視し、G7をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む対応を調整していく」と述べました。

また、岸田総理大臣は、ロシアがウクライナに侵攻した場合についても、G7をはじめとする国際社会と連携しながら対応する考えを示しました。

一方、現地に滞在する日本人の保護については「少しずつ退避する方はしていると報告を受けている一方、ウクライナ人の家族を持つ方など、残留の意思が固い方も大勢いる。状況が緊迫の度合いを高めているので、引き続き現地の大使館を中心に退避の呼びかけを続けている」と述べました。

林外相「国際法に違反」

林外務大臣は、記者会見で「ロシア側の行為は、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、国際法に違反するもので、決して認められるものではなく非難する」と述べました。

そのうえで「事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応について、調整を行っていく」と述べました。

また、林大臣は、ロシアが「平和維持」を名目に軍をウクライナ東部に派遣した場合、軍事侵攻と受け止めるかどうかについては「仮定の質問に答えることは差し控えたい」と述べたうえで、国際社会と連携して対応していく考えを重ねて示しました。

松野官房長官 現地の邦人に「退避の呼びかけ継続」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ウクライナの主権や領土の一体性を侵害し、国際法に違反するもので、決して認められるものではなく、非難する。わが国として改めて事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応について、調整を行っていく」と述べました。

また、現地に滞在する日本人の保護について「現時点までに邦人の生命や身体に被害が及んでいるという情報には接していない。引き続き退避の呼びかけを継続するとともに、あらゆる事態に適切に対応できるよう、近隣国でチャーター機の手配を済ませるなど、さまざまな準備を行っている」と述べました。

日本として近く非難声明出す方針 外務省担当者

今回のロシア側の対応について、外務省の担当者は、22日朝の自民党の会合で、ウクライナの主権と領土の一体性が侵害されたものであり、力による一方的な現状変更は許されないとして、日本として、近く非難声明を出す方針を明らかにしました。

また、出席した議員から、G7=主要7か国の緊急の外相声明を出すべきだという意見が出されたのに対し、外務省の担当者は「早急に検討したい」と述べました。

一方、外務省の担当者は、日本を含めた各国がロシアへの制裁に踏み切れば、ロシア側からの対抗措置も考えられ、事態が長期化する可能性もあるという認識を示しました。

岸防衛相「関連する軍事動向 警戒監視を継続」

岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「防衛省としては、ウクライナ情勢を含むロシア軍の活動全般を重大な関心を持って注視しており、関連する軍事動向について、情報収集、警戒監視を継続していく」と述べました。

またロシアが今月19日、極超音速ミサイルや弾道ミサイルなどを発射する演習を実施したことについて、岸大臣は「通常であれば秋ごろに行われる演習をこの時期に行い、核戦力、非核戦力の双方のミサイル発射演習を行ったことは異例だ。ウクライナ情勢における緊張の高まりを受け、ロシアがあらゆるレベルで能力を発揮できると誇示するねらいがある」と述べました。

萩生田経産相「ウクライナから調達の物資 複数国から調達可能」

ウクライナ情勢について、萩生田経済産業大臣は22日の閣議のあとの記者会見で「エネルギーなど重要物資の安定供給の確保の懸念だけでなく、足元で上昇傾向にある原油価格の動向や日本企業への影響を含め、高い警戒感を持って注視している」と述べました。

また、事態が悪化し、半導体などの供給に影響が及ぶ可能性については「ウクライナから調達する物資は、複数の国から調達可能であり、現時点で主要企業から製造に影響があるとは聞いていないが、今後も産業界の声を丁寧に聞き取りつつ状況を注視していく。ウクライナ情勢の変化による日本企業の事業活動への影響が最小限にとどまるよう、G7をはじめとする国際社会と連携し、適切に対応していきたい」と述べ、各国と緊密に連携して対処していく考えを強調しました。
また、鈴木財務大臣は22日の閣議のあとの記者会見で「緊迫した状況にあり、日本経済への影響をしっかり注視しなければならない」としたうえで「緊張緩和に向けた努力を支援することが最優先だが、日本としてはG7各国と連携し、適切に対応したい」と述べ、G7の財務相による共同声明の内容に沿って、引き続き各国と緊密に連携していく姿勢を強調しました。