国立大学付属校 割増賃金未払い15億円余 24法人が是正勧告など

国立大学付属校の教員に関する国の初めての調査で、去年12月までのおよそ17年間に時間外労働の割増賃金の未払いがあり、労働基準監督署から是正勧告などを受けた国立大学法人が24あったことがわかりました。
未払い賃金の多くがその後支払われましたが、全体の金額は教員3000人近くに対し15億円余りに上っています。

国立大学の付属校をめぐっては、平成16年の国立大学の法人化以降、時間外労働の割増賃金の支払いが義務づけられましたが、三重大学が付属の小中学校などの教員に割増賃金を支払っておらず、去年、労働基準監督署から是正勧告を受けています。

これを受け文部科学省が、付属の学校がある全国55の国立大学法人に同様のケースがないか初めて調査した結果、平成16年4月から去年12月までのおよそ17年間に、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の未払いがあり、労働基準監督署から是正勧告や指導を受けた法人は24あったことがわかりました。

この間の未払いの割増賃金は、66の付属校で合わせて教員2952人に対し15億5500万円余りに上っています。

調査時点で、2法人を除き支払い済みだということです。

今回の調査では、24法人とは別の5つの法人が超過勤務などの手当を支払っていないと回答し、文部科学省は適切ではないとして早急に改善するよう要請することにしています。

研究者「氷山の一角にすぎない」

学校経営や教育現場の勤務実態に詳しい研究者、妹尾昌俊さんは「今回の結果は氷山の一角にすぎず、子どもと向き合うべき教育現場で違法状態が続いていたのは非常に深刻な問題だ」と指摘しています。

国によると、今回の調査期間については、労働基準法で未払いの賃金をさかのぼって請求できる期間が過去2年分に限られるいうことで、妹尾さんは実際の割増賃金の未払いはさらに多いとみています。

そのうえで「未払いが長年続き、待遇面で報われないとなると人が集まらず、よけいに仕事が忙しくなり優秀な人材が来なくなるという悪循環に陥るおそれがある。国は違法状態を見逃さないようにするとともに、学校側も今のままの経営では教員の残業代を支払えないので、業務のスリム化を行い長時間労働を減らすなど一層の努力が求められる」と話しています。