日系人強制収容の大統領令から80年 米で人種差別考える催し

太平洋戦争中、アメリカで日系人が強制収容されることになった大統領令の発令から19日で80年となり、アメリカでは各地で人種差別問題を考える催しが開かれました。

旧日本軍による真珠湾攻撃からおよそ2か月後の1942年2月19日、当時のアメリカのルーズベルト大統領は大統領令に署名し、これを受けておよそ12万人の日系アメリカ人などが各地の収容所に送られました。

大統領令の発令から80年となる19日、アメリカでは各地で人種差別問題を考える催しが開かれました。

このうち収容所があった西部アイダホ州では、当時と今の人種差別問題を考えるパネルディスカッションが開催され、この中で、当時、両親が強制収容されたという日系人の参加者は「戦争中、人々は強制収容という事実から目を背けていた。こうした問題は今も存在する」と述べました。

また、元判事のパネリストは、「近年のヘイトクライムの急増は深刻だ。アジア系住民らの5人に1人が被害を受けたというデータもある」と述べ、現在にもつながる人種差別問題について考える必要があると指摘しました。

80年前の大統領令について、バイデン大統領は18日、「二度とないように」という日本語も交えた声明を発表し、人種差別問題と向き合う決意を示しています。

アジア系住民ねらったとみられる暴力事件相次ぐ

アメリカでは、アジア系住民をねらったとみられる暴力事件が相次いでいます。

アジア系住民へのヘイトクライムなどを調べているカリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校の「憎悪・過激主義研究センター」による独自の調査によりますと、ニューヨークなど10の都市では去年1年間、アジア系住民に対する差別や偏見に基づくヘイトクライムとみられる事件が295件で前の年の79件からおよそ3.7倍に増えました。

調査を行った都市ごとにみると
▽ニューヨークが前の年のおよそ4.4倍、
▽ロサンゼルスが前の年のおよそ2.7倍に増えたということです。

調査を行った「憎悪・過激主義研究センター」のブライアン・レビン教授は、「アジア系住民に対するヘイトクライムの増加は、新型コロナの感染拡大や、インターネット上で広がる『アジア系はアメリカに悪影響を及ぼす』などという論調と相関関係がある。2020年は、トランプ前大統領の言動などによって偏見が増幅され、ヘイトクライムが増加したが、その傾向は次の年も続いている」と分析しています。