東京 コロナ感染の妊婦 1月は最多1100人余 入院は20%ほど

東京都内で新型コロナウイルスに感染した妊婦は、先月1か月間でこれまでで最も多い1100人余りとなり、入院したのは20%ほどにとどまっていたことが分かりました。専門家は「特に妊娠後期の妊婦は重症化リスクが高いため、かかりつけの産科医と密に連携を取ってほしい」と呼びかけています。

日本産婦人科医会などによりますと、東京都内で新型コロナへの感染が報告された妊婦は、速報値で先月1か月間で1141人となっていて、これまでで最も多かった去年8月の611人の2倍近くとなり、過去最多だったことが分かりました。

このうち、医療機関に入院した妊婦は258人、宿泊施設で療養した妊婦は4人と合わせて23%にとどまり、自宅療養となった妊婦が879人で77%を占めていました。

感染後に入院した妊婦の割合は、医療体制が危機的な状況だった去年8月の32%を下回り、受け入れが厳しい状態になっています。

このため、東京都は19日以降、新たに整備する2棟の宿泊療養施設に合わせて40床、妊婦専用の部屋を設け、産科医が毎日オンラインで健康観察を行う体制を整備し、症状がない場合でも、不安を感じる妊婦の対応に当たるとしています。

日本産婦人科医会の常務理事で日本医科大学の中井章人教授は「現在もコロナの入院患者数は減少しておらず、引き続き注意が必要だ。自宅療養中の妊婦が多いが、特に妊娠後期に感染すると重症化リスクが高くなるので、かかりつけの産科医と密に連携を取ってほしい」と話しています。