LCCピーチ 資本金を1億円に「減資」 財務立て直し図る

新型コロナによる航空需要の低迷で業績が悪化している、LCC=格安航空会社の「ピーチ・アビエーション」は、75億円余りの現在の資本金を1億円に減らす「減資」を行うと発表しました。財務基盤の立て直しを図るとともに、税制上の中小企業となって税負担を軽くするねらいもあるとみられます。

「ピーチ・アビエーション」は、新型コロナによる航空需要の大幅な減少で、昨年度の決算で過去最大の295億円の最終赤字となるなど、厳しい経営状況が続いています。

こうした状況を踏まえ、ピーチは今月7日に開かれた株主総会で、75億円余りの現在の資本金を、1億円に減らす「減資」を行うことを決めました。

さらに、74億円余りの資本準備金も全額取り崩すとしていて、これらの措置は来月30日に実施します。

ピーチは、こうした資金を累積損失の穴埋めに充てる考えで「財務基盤の健全性、柔軟性を確保するための措置だ」としています。

企業は資本金が1億円以下になると中小企業と見なされ、法人税が軽減されるなど税制上の優遇措置を受けられるようになります。

このため今回の大幅な減資によって、税負担を軽くするねらいもあるとみられます。