「まん延防止」17道府県の延長と5県の解除 分科会が了承

新型コロナ対策で、専門家でつくる政府の分科会は、まん延防止等重点措置について、大阪など17道府県の期限を来月6日まで延長する一方、沖縄など5県は、20日の期限をもって解除する方針を了承しました。
政府は18日夜、正式に決定することにしています。

新型コロナ対策をめぐり、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。

政府は、まん延防止等重点措置について、20日が期限の関西3府県、北海道、福岡など16道府県と、今月27日が期限の和歌山は引き続き、感染拡大の抑制に取り組む必要があるとして来月6日まで延長する方針を諮りました。

一方で、沖縄、山形、島根、山口、大分の5県は感染状況が落ち着いてきたとして20日の期限をもって解除する方針も諮りました。

新型コロナ対策を担当する内閣府の黄川田副大臣は「17道府県では感染拡大のスピードが落ちているものの、依然として多くの感染者が確認され、今後、重症者数が増加する可能性があり、医療提供体制への負荷を軽減していく必要がある。5県は新規感染者数が減少傾向で、医療の負荷の低下が見られる」と説明しました。

分科会では、こうした方針について議論が行われ、了承されました。

政府は、国会への事前の報告と質疑を経て18日夜、持ち回りの対策本部で正式に決定することにしています。

これによって、東京など首都圏1都3県を含む31都道府県で、重点措置の期限が来月6日となります。

松野官房長官「2人の委員から反対意見も 最終的に了承」

松野官房長官は午後の記者会見で「政府の分科会で重点措置の延長や解除について審議され、2人の委員から反対意見があったが最終的に了承された。政府としてオミクロン株を含む新型コロナウイルスの感染が拡大することは、国民の生命や健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、重点措置を集中的に実施すべきだと認識している」と述べました。

国民 玉木代表「重点措置に効果あるか科学的根拠を」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し「感染が拡大している地域では延長が必要だと思うが、飲食店や交通機関など、一部の産業が非常に大きな影響を受けるので、重点措置が感染拡大防止に効果があるのか、きちんとした科学的根拠を示すべきだ。効果がないのに営業の自由が阻害されているのであれば問題だ」と述べました。

立民 泉代表「首相の認識は甘い 最悪を想定していない」

立憲民主党の泉代表は、記者会見で「岸田総理大臣の認識は甘く、最悪を想定していない。亡くなる人が増え、オミクロン株の特性についてまだ明らかになっていないことも多いので、基礎疾患のある人が感染しない環境をつくることが求められている」と述べました。

一方、政府が来月から水際対策を段階的に緩和することについて「経済、文化、学術、国際交流など、必要度の高い分野で、一定の入国を認めていくのは、ありうる考え方だ。ただ、これからも変異株が出てくる可能性もあり、検査体制の拡充は常に忘れてはならない」と述べました。

共産 田村政策委員長「首相の危機感のなさに驚き」

共産党の田村政策委員長は、記者会見で「全国知事会が、危機的状況が正しく認識されるよう国に発信を求めているのに、岸田総理大臣は記者会見で、ピークアウトの次のフェーズについて言及するなど、真逆の発言をしており、危機感のなさに驚いた。オミクロン株の特性を踏まえた対策を示さないまま、重点措置の期間を延長するだけでは本当にだめだ」と述べました。