「自閉スペクトラム症」脳内のドーパミンの働き低下が関係

発達障害の1つ「自閉スペクトラム症」について、コミュニケーションが苦手などの症状は、脳の中の「ドーパミン」という物質の働きの低下が関係しているとする研究成果を浜松医科大学などのグループが発表しました。グループでは今後、治療薬の開発などにつながる成果だとしています。

研究を行ったのは浜松医科大学の山末英典教授などのグループです。

自閉スペクトラム症は、社会的なコミュニケーションの苦手さやこだわりの強さなどが特徴の発達障害の1つで、詳しい原因はまだわかっていません。

グループでは、脳の中にある注意や喜びなどに関わる「ドーパミン」という神経伝達物質に注目し、自閉スペクトラム症と診断された22人の脳の働きを画像診断装置を使って詳しく調べました。

その結果、自閉スペクトラム症の人ではドーパミンに反応する脳の中の受容体と呼ばれるたんぱく質のうち、2種類が減少していることが分かったということです。

特に他人への関心に関係する「視床枕」という部分で減少の程度が最も大きくなっていました。

グループではこうしたデータから受容体が減少してドーパミンが働きにくくなることが社会的なコミュニケーションの困難さに関係しているとしていて、山末教授は「ドーパミンがうまく働ければ、症状が改善する可能性が示された。将来的には治療薬の開発につながる成果だと考えている」と話していました。