今年度の「国民負担率」48% 前年度上回り過去最大の見込み

国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」は、今年度・令和3年度は前の年度をわずかに上回って48%と、これまでで最大となる見込みです。所得が増えたものの、税金の増加がそれを上回ったことで負担率が上昇しました。

「国民負担率」は、個人や企業の所得などをあわせた国民所得に占める税金や社会保険料の負担の割合で、公的負担の重さを国際的に比較する指標のひとつです。

財務省によりますと、今年度・令和3年度の国民負担率は、前の年度から0.1ポイント上がって48.0%となり、これまでで最大となる見込みです。

企業業績が回復したことで所得が増えたものの、法人税などがそれを上回る伸びとなったことから、負担率がわずかに上昇しました。

一方、国の財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、2.1ポイント減少し60.7%となる見込みです。

3回の補正予算を組んだ前の年度と比べて、今年度は財政赤字の額が少なかったためです。

一方、新年度・令和4年度は、国民の所得の改善がさらに見込まれるとして、国民負担率は今年度から1.5ポイント下がって46.5%、潜在的な国民負担率も3.8ポイント下がって56.9%となる見通しです。

日本の国民負担率は、50年余り前の昭和45年度には24.3%でしたが、高齢化に伴う社会保障の負担増加などにより、上昇傾向が続いています。