社会

基幹病院でクラスター相次ぐ 医療提供への影響も 北海道 函館

北海道の函館市ではオミクロン株の感染の拡大で、地域医療を担う基幹病院でクラスターが相次いで発生しています。
病院では入院患者の受け入れを中止するなどの対応をとっていますが、職員への感染も広がっていて医療提供体制への影響が懸念されています。
函館市では入院や手術など地域の2次救急の医療などを担う5つの基幹病院で相次いでクラスターが発生しています。

このうち国立病院機構函館病院では1月30日にクラスターが発生し、職員37人、患者77人の合わせて114人の感染が確認されているほか、函館市医師会病院では今月2日にクラスターが発生し、職員26人、患者71人の合わせて97人の感染が確認されています。

また、市立函館病院では今月3日にクラスターが発生し、職員14人、患者8人の合わせて22人の感染が確認されているほか、函館五稜郭病院では今月7日にクラスターが発生し、職員8人、患者21人の合わせて29人の感染が確認されています。

このほか、今月9日にクラスターが発生した亀田北病院では、職員8人、患者40人の合わせて48人の感染が確認されています。

病院では、新たな入院患者の受け入れを休止したり、外来の紹介受診の受け入れを延期したりしています。

このうち、亀田北病院以外は市内に10か所ある2次救急医療機関の指定を受けていて、救急患者の受け入れを輪番で担当しています。

しかし、職員の間でも感染が広がっているため、出勤できない人が多い場合は輪番を別の病院に代わってもらったり、職員の派遣を受けたりして対応にあたっているということです。

函館市医師会の本間哲会長は「今は地域の医療機関が連携して医療を継続しているが首の皮1枚つながっているだけの状況だ。この状況が続くとコロナ以外の治療に大きな影響を及ぼすことになる」と話しています。

市立函館病院では

市立函館病院では、クラスターが発生した病棟で出勤できない職員が相次ぎ、これ以上の感染拡大を防ぐため病棟の職員に毎日PCR検査を行うなど、対策を徹底しています。

病院によりますと、12ある病棟のうち1棟でクラスターが発生し、この病棟で新たな入院患者や外来診療の受け入れを延期しています。

また、感染が確認されたり、濃厚接触者となったりして出勤できない職員が相次ぎ、病棟の看護師などの1日の勤務シフトを3交代から2交代にして入院患者の対応にあたっているということです。

また病院では、これ以上の感染拡大を防ぐため、クラスターが発生している病棟の医師や看護師に毎日勤務を始める前にPCR検査を行うなど対策を徹底しています。

この病院は新型コロナに感染した重症と中等症の患者の治療にあたっていますが、患者の受け入れに影響はないとしています。

市立函館病院の森下清文院長は「経験したことがない数の職員が病院に出てこられない状況になっている。引き続き、職員が感染することを想定したうえで、院内での感染拡大をどうやって防止するかを考えていきたい」と話しています。

函館五稜郭病院では

函館五稜郭病院では、無症状の看護師から感染が広がってクラスターが発生するなど、感染対策の難しさが浮き彫りになっています。

病院によりますと、最初に感染が確認された看護師は無症状で、その後、職員や患者を検査したところ、この看護師を含む8人の感染が確認されました。

12ある病棟のうち3棟で合わせて29人の感染が確認され、これらの病棟を感染のリスクが高いエリアとしてゾーニングを行い、病棟に入る際には防護服を着用するなど感染対策を強化しています。

函館五稜郭病院の中田智明院長は「のどの痛みや発熱などの症状があれば、感染を疑うことができるが、オミクロン株は感染力が強く、自覚症状がなくても感染を広げてしまう。出勤できない職員も増えていて病院の運営が非常に難しくなっている」と話しています。

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