去年の労災事故死傷者11万7000人余 コロナ影響で増加か 厚労省

去年1年間に労災事故で亡くなったりけがをしたりしたのは、11万7000人余りに上り、前の年よりおよそ6%増えたことが分かりました。厚生労働省は「新型コロナの影響で出勤できない人が相次ぐなど、1人当たりの業務量が増え、労災事故が増加している可能性がある」としています。

厚生労働省がまとめた速報値によりますと、去年1年間に労災事故で死亡したり休業4日以上のけがをしたりしたのは、新型コロナの感染を除いて全国で11万7875人に上りました。

これは前の年より7081人、率にして6.4%増えています。

産業別では、小売業や福祉などの「サービス業」が5万7899人と最も多く、前の年より9%増えたほか、「製造業」が2万4202人と前の年より5.4%増えました。

状況別でみると、「転倒」が前の年より9.5%、腰を痛めるなどの「動作の反動・無理な動作」が前の年より9.3%と、いずれも増えてとくに増加が目立っています。

去年1年間に労災事故で死亡したのは723人で、「建設業」が269人と前の年より12.6%増えています。

厚生労働省は「新型コロナの影響で出勤できない人が相次いだり、感染防止で少ない人数で業務を進めたりした結果、1人当たりの業務量が増え労災事故が増加している可能性がある。引き続き、対策を呼びかけていきたい」としています。