カーリング女子【詳細】日本 開催国中国に大勝し4連勝

北京オリンピックカーリング女子の日本代表は予選リーグの第5戦、中国と対戦し、10対2で勝ちました。日本は4連勝で予選リーグ4勝1敗としました。

日本は1点をリードされて迎えた第3エンド、サードの吉田知那美選手やスキップの藤澤五月選手がガードストーンの裏にストーンを回り込ませる正確な「カム・アラウンド」で円の中にストーンをためました。

最後は藤澤選手が落ち着いてドローショットを決め、3点を獲得する「ビッグエンド」を作って逆転しました。さらに第5エンドには不利な先攻から「スチール」で3点を獲得し、7対1と大きくリードして試合を折り返しました。

第7エンドでは藤澤選手が最後の1投で相手の円の中心付近のストーンよりさらに内側に置く絶妙なドローショットを決め2点を追加しました。試合を通してのショット成功率は中国の68%に対して日本は87%と高く、特にセカンドの鈴木夕湖選手は91%と正確なショットで中国にプレッシャーをかけ続けました。

そして第8エンド終了後、中国が負けを認め、日本は10対2で勝ちました。
4連勝の日本は予選リーグの成績を4勝1敗とし、5戦全勝のスイスに次いで10チーム中2位につけています。

日本は14日夜に行われる予選リーグ第6戦で、ピョンチャン大会銀メダルの韓国と対戦します。

【試合詳細】

「リード」の吉田夕梨花選手、「セカンド」の鈴木夕湖選手、「サード」の吉田知那美選手、そして「スキップ」の藤澤五月選手と日本の布陣は変わりません。

試合開始 日本(後攻)- 中国

日本時間の午前10時5分に試合が始まりました。日本は今大会初めて、試合前の「ラストストーンドロー」で相手より円の中心に近づけ、第1エンドで有利な後攻を選択することができました。
スキップの藤澤選手たちはリラックスした表情で会場入りし、きょう14日がバレンタインデーであることにちなみ、カメラに向けて手でハートを作り「ハッピーバレンタイン」などと呼びかけていました。

※カーリングのストーンは英 スコットランドの無人島の石

オリンピックを含め国際競技大会で使われるストーンは、スコットランドにある無人島「アルサクレイグ島」の石が使われています。自然環境保護の観点から、20年に一度しか採石が認められていない大変貴重なもので、ストーンの値段は1個につき10万円ほどするそうです。
今大会はそのストーンに付いている「センサー」に不具合が相次ぎ、投げるまでに時間がかかるケースが多くなっています。こうしたトラブルにリズムを乱されることなく正確なショットを繰り出せるかどうかもポイントになります。

第1エンド 日本(後攻)0-0 中国

両チーム、まずはアイスの状態を確認しておきたい第1エンド。互いにストーンをはじき合う「テイクアウトゲーム」となり、円の中にストーンがほとんど残らない展開になりました。
有利な後攻の日本、スキップ藤澤選手は1点を取るよりも次のエンドでも後攻になることを優先。最後のショットで相手のストーンをはじき出しながら自分たちのストーンも外に出しました。狙いどおりのブランクエンドとし、第2エンドに入ります。

第2エンド 日本(後攻)0-1 中国

日本が後攻の第2エンド、スキップの藤澤選手はまだアイスを読み切れていない様子で、1投目、ドローショットを手前のガードストーンに当ててしまうミスがありました。
その後、ナンバーワンからスリーまでが相手のストーンという状況になり、藤澤選手は最後のショットでナンバーワンではなくあえてナンバーツーを取り、1点を譲って次のエンドでも後攻になることを選択しました。
日本のメンバーは「そんなに曲がらない」とか「曲がりが大きい」など声をかけあっていて、アイスの状態を確かめながらゲームを進めています。

第3エンド 日本(後攻)3-1 中国

我慢の展開が続いた日本、ここで3点をあげ「ビッグエンド」を作りました。サードの吉田知那美選手やスキップの藤澤選手がガードストーンの裏にストーンを回り込ませる「カム・アラウンド」を見事に決め、円の中に日本のストーンをためていきました。
一方、中国は最後のショットでストーンをはじき出すことができず、日本のナンバーワンとツーを残してしまうミスがありました。
最後は藤澤選手が落ち着いてドローショットを決め、3点を獲得しました。日本は逆転。笑顔も増えてきました。

第4エンド 日本 4-1 中国(後攻)

ショットの精度が上がってきた日本。不利な先攻ながらナンバーワンとツーが日本のストーンという状況を作ります。中国は最後のショットで日本の2つのストーンを一気にはじき出す「ダブルテイクアウト」を狙いました。
しかしこれは失敗し、はじき出せたのは1つだけ。相手に難しいショットを選択させた日本が1点を獲得し、スチールに成功しました。リードは3点に広がっています。

第5エンド 日本 7-1 中国(後攻)

先攻の日本、今度はスチールでの「ビッグエンド」です。リードの吉田夕梨花選手やセカンドの鈴木夕湖選手が正確なドローショットで円の中に次々日本のストーンをためていきます。さらにスキップの藤澤選手が最後の1投でガードストーンをかわしながら中国のナンバースリーをはじき出す絶妙なショットを見せ、ナンバーワンからフォーまでが日本のストーンという状況となりました。
追い込まれた中国は最後のショット、ナンバーツーを取ることで日本の得点を1点にとどめる狙いでしたがこのショットを寄せきれません。結局、日本が3点を獲得し、リードは6点に広がりました。

ハーフタイムはきょうもどら焼きやゼリー

日本は第3エンドと第5エンドにビックエンドを作り、前半を終えて7対1と6点をリードしています。前半のドローショット成功率は日本が84%の一方で、中国は56%と日本が大きく上回り、日本が難しいアイスをうまく読んでいることがわかります。
テイクアウトショットを合わせたショット全体では特にリードの吉田夕梨花選手とセカンドの鈴木選手はいずれも90%を超え、中国にプレッシャーをかけることに成功しています。
第5エンド終了後のハーフタイムでは、日本の選手たちが円になってゼリーやどら焼きなどを食べて栄養補給をしながら後半の作戦を話し合っていました。第6エンドは日本が先攻です。

第6エンド 日本 7-2 中国(後攻)

6点リードで迎えた第6エンド。先攻の日本は2投を残した段階で早くも1試合で1度しか使えないタイムアウトを取り、作戦を話し合いました。
この直後、スキップの藤澤選手は手前にあった日本のストーンを押し出して中国のナンバーワンのストーンにあて、ナンバーツーを取りました。円の中のストーンの数は日本が5、中国が3となっています。
その後中国がナンバーワンとフォー、日本がナンバーツーとスリーという状況で、中国は最後の一投でナンバーフォーを押し込んで2点目を取りにいきました。しかしこれは成功せず中国の得点は1点にとどまりました。

第7エンド 日本(後攻)9-2 中国

スキップの藤澤選手の1投目、ガードストーンをぎりぎりでかわして相手のストーンをテイクアウトし、ナンバーワンを獲得しました。これに対し、中国も最後の1投で円の中心近くにナンバーツーを置き、日本の複数得点を阻止しようとします。リスクをおかさず1点を獲得してもいい場面でしたが日本のメンバーは「スルーするより投げてみよう」と声をかけ、2点目を取りにいきました。
そして藤澤選手はふたたびガードストーンをさけながら相手のナンバーツーよりもさらに内側にストーンを置く絶妙なドローショットを決め、2点を獲得しました。攻めの姿勢を見せた日本、リードは7点に広がりました。

第8エンド 日本 10-2 中国(後攻)※中国がコンシードし日本勝利

日本は先攻。ナンバーワンが日本、ナンバーツーが中国という状況となり、スキップの藤澤選手は相手の複数得点の可能性を消すため2投ともガードストーンを置きました。中国は最後の1投をガードストーンに当ててしまい、日本はスチールを成功させ、1点を獲得しました。
追いつけないと判断した中国はこのエンド終了後に「コンシード」、試合途中で負けを認め、日本は10対2で中国に勝利しました。
日本は4連勝で予選リーグ4勝1敗です。

前の試合から一転好調の鈴木夕湖「休みのきのう しっかり修正」

スキップの藤澤五月選手は「みんながいいショットを決めてくれてわりと楽なショットを投げさせてもらえていた。きょうは精神的に楽にできた」と話していました。
またこのあと控えている韓国との試合について「夜は違ったアイスになると思うのでまずはアイスに集中してショットを決めたい」と述べ、ここまでカギになっているアイスの状態について気にかけていました。

リードの吉田夕梨花選手は「きのうしっかり頭と体と心を休めて、きょうは本当にアイスだけに集中できたのがすごく良かった」と試合を振り返りました。
前の試合の不調から一転、90%を超えるショット成功率でチームを引っ張ったセカンドの鈴木夕湖選手は「きのうは休みだったので、ちょっと練習もできて気になっていたところをしっかり修正した。藤澤選手とリンドコーチにも『投げは大丈夫だから』と言ってもらえて自分を信じて投げることができたので良かった」と話していました。

サードの吉田知那美選手は「4年前のピョンチャン大会でも大会中盤にストーンの研磨が行われ、私たちはそこで大きな失敗をしていた。その失敗がこの試合にすごく生きたのかなと思う。無駄な経験なんて何一つないんだなと思っていた」と話していました。

【記者の目】不調から一転 「休養日」できっちり修正

逆転勝利をしたもののミスが相次ぎ、苦しんだ第4戦から一転。
第5戦はリードとセカンドの2人が正確なショットと懸命なスイープでチームを引っ張り、終始、主導権を握りました。

12日のROC戦、日本はアイスの状態をつかみきれずに細かいミスが相次ぎ、特にセカンド鈴木選手のショット成功率は66%にとどまり、試合終了直後に笑顔だったほかの3人とは対照的に、手で顔を覆ってほかのメンバーに詫びるシーンもみられました。
試合がなかった13日、日本はその“ずれ”をきっちり修正する日にあてました。

「きのうしっかり頭と体と心を休めて、本当にアイスだけに集中できた」(リード 吉田夕梨花選手)
「きのうちょっと練習もできて気になっていたところをしっかり修正した。自分を信じて投げることができた」(セカンド 鈴木選手)

この試合、リードの吉田夕梨花選手やセカンドの鈴木選手が狙いどおりの位置にガードストーンを置いたほか、きっちりコントロールしたドローショットを決め日本のストーンがハウスにたまる展開をたびたび作りました。

スキップの藤澤選手が「リードからいいショットを決めてくれて楽なショットを投げさせてもらえた」というとおり、続く選手が簡単なショットを投げられる状況をお膳立てしていきました。
吉田夕梨花選手の精度が際立ったのは第7エンド。
2投目で相手のガードストーンに軽く当ててずらす「ウィックショット」を決めました。
相手のガードストーンがアウトになってしまうとストーンを元の位置に戻されてしまうため、絶妙な力加減が必要なこのショットは「ゆりかタイム」とも呼ばれています。
一方、鈴木選手も正確なショットを連発し、前の試合の不調から一転、ショット成功率はチームトップの91%でした。

2人はスイーピングでも力を発揮します。
第3エンド、サードの吉田知那美選手やスキップの藤澤選手がガードストーンの裏に回り込ませる「カム・アラウンド」を決めた際は、2人の懸命なスイープでストーンの曲がり具合や滑り具合を調節して狙いどおりの位置にぴたりとおさめ、3点を獲得する「ビッグエンド」につなげ勝利を決定づけました。
大会が進むごとにチーム全員が調子を上げてきた日本。
14日の2試合目となる夜の第6戦は前回、ピョンチャン大会で銀メダルを獲得した韓国との対戦です。
前回は準決勝で敗れているだけに成長を見せるには絶好の相手です。