スキージャンプ【詳細】小林陵侑は銀メダル 男子ラージヒル

北京オリンピックのスキージャンプ男子ラージヒルで、小林陵侑選手が銀メダルを獲得しました。
ノーマルヒルでの金メダルに続き今大会2個目のメダル獲得です。

長野大会 船木和喜以来24年ぶりで個人メダル2個

ジャンプ男子ラージヒルは、ヒルサイズが140メートルの「国家スキージャンプセンター」で決勝が行われ、日本からは、ノーマルヒルで金メダルを獲得したエースの小林陵侑選手など4人が出場しました。

小林陵侑選手は11日の予選では飛距離を伸ばせず9位でしたが、12日の1回目は有利な向かい風が弱く吹く中で、スムーズに踏み切り、空中での姿勢も乱れることなく飛距離を伸ばしました。

これ以上飛ぶと危険とされるヒルサイズを超える142メートルをマークし、ポイントは、2位のノルウェーのマリウス・リンドビーク選手に2.2ポイント差、飛距離に換算すると1メートル余りの差をつけてトップに立ちました。
この時の飛距離、142メートルはジャンプ台記録でした。

2回目は最後から2番目にリンドビーク選手が飛び140メートルをマークしてトップに立ちました。

続く小林陵侑選手は、不利な追い風の中でも138メートルまで飛距離を伸ばし、合計ポイントを292.8としましたが、リンドビーク選手には、3.3ポイント、飛距離に換算して2メートル近く及びませんでした。

小林陵侑選手は銀メダルを獲得し、ノーマルヒルに続く個人での「2冠」はなりませんでしたが、今大会2個目のメダルを獲得しました。

オリンピックで日本のジャンプ選手が個人でメダル2個を獲得したのは、1998年の長野大会の船木和喜選手以来、24年ぶりです。

金メダルのリンドビーク選手は合計296.1ポイント、銅メダルのドイツのカール・ガイガー選手は281.3ポイントでした。

このほかの日本選手は佐藤幸椰選手が15位、小林潤志郎選手が24位、中村直幹選手が29位でした。

ラージヒルの決勝には、スイスの40歳、シモン・アマン選手も出場しました。
アマン選手は長野大会以来、7大会連続の出場で、2002年のソルトレークシティー大会と2010年のバンクーバー大会のノーマルヒルとラージヒルで金メダルを獲得しています。オリンピックの個人で「2冠」を2回達成しているのは、シモン・アマン選手だけです。
7回目の今大会、ラージヒル決勝では、1回目131メートル50で50人中27位で2回目に進み、2回目は132メートル50と飛距離を伸ばして結果は25位でした。

【各選手の談話】

小林陵侑
試合を振り返ってー
「うれしいです。2本ともいいジャンプができたと思う。ワールドカップでも見られないくらい熱い戦いだった」
1回目のジャンプについてー
「タイミングがよく、風の状況も落ち着いていたのですごくよかった」
2回目はー
「前の選手のジャンプは見ていなかったが、歓声があがっていたので、さすがに緊張した」
「空中でばたついてしまった気はしたが、自分のできることはできた」
団体戦に向けてー
「団体戦もビッグジャンプを見せたい」

「前回のピョンチャン大会からすごく成長できたと思うし、本当にうれしい。この4年間、僕の周りで1人でも欠けたらこの結果には届かなかったと思う。本当にみんなから刺激をもらえて支えてもらってとれたメダルだ」

「ジャンプブームになって欲しい。みんなもやってもらえれば、ジャンプの楽しさがわかると思う」
佐藤幸椰(15位)
「1回目、2回目とも同じような内容だった。修正能力の無さというのが勝負では大きく影響するので、改善していかないと興奮するようなメダル争いという展開には持っていけないと強く感じた」
初めてのオリンピックの舞台についてー
「雰囲気や、各国の選手が臨む姿勢が普段とは違うというのは感じていたが、その中でしっかり勝負に加われていないのでまだまだ先は遠い」
団体戦にむけてー
「今やらなければいけないことは明確だが、それを体現する力が足りない。メンバーはまだ発表されていないが、その『体現力』をテーマに次はそろそろガッツポーズしたい」
小林潤志郎(24位)
個人戦を振り返ってー
「自分的には悔しさが残る。次の4年後に向けてしっかり準備していきたい」
次に出場する団体戦に向けてー
「まだまだ改善点がある。きょうの2回目もタイミングが少し遅れていたので調整していきたい。団体でのメダル獲得を目指しているので、そこでしっかり取れたらなと思う」
中村直幹(29位)
ラージヒルのジャンプについてー
「1回目はいい集中ができて今まで培ってきたことがしっかり出せたが、2回目は緊張してしまって硬くなってしまった」
団体戦に向けてー
「まだ僕自身、たくさんやることがある。みんなに勢いをつけられるようそこに向かってしっかり準備したい」

小林陵侑 自然体で2個目のメダル

個人ノーマルヒルの金メダルに続いて銀メダルを手にした小林陵侑選手。
個人種目での2冠達成はなりませんでしたが、ここ一番に合わせるジャンプの修正力に加えてオリンピックを楽しもうとする気持ちがありました。

ジャンプでは1998年長野大会以来の金メダル獲得となった個人ノーマルヒル。小林選手は現地で行われた初めての公式練習で、不安を口にしていました。

「全体の流れやバランス、修正するところはたくさんある」

飛距離を思うように伸ばせていませんでした。
その翌日、小林選手がスクワットをする様子を目にした日本代表の宮平秀治コーチは、いつもとわずかな違いに気付き、小林選手に「ひざが動くのが早い。もしかするとジャンプ台でも同じようになっているのかもしれない」と伝えました。

ジャンプ競技は、ほんの数ミリの誤差でも踏み切りの時に力を100パーセントを伝えられなくなり、飛距離に大きな影響を与える繊細な競技です。

小林選手はすぐにフォームのごくわずかな調整に取りかかり、その数ミリの誤差を修正し、ノーマルヒルの金メダルにつなげました。

そしてラージヒル。
大きなジャンプ台になればなるほど心が躍るという小林選手にとってラージヒルは「とにかく楽しみ」でした。
公式練習では初日から1回目は129メートル、2回目は134メートル、3回目は131メートルと安定したジャンプをそろえていました。

予選前最後の練習では、日本選手では小林選手だけジャンプ台に姿を見せず、別メニューで調整しました。いい感覚を持ったまま、本番を迎えるためでした。

2個目の金メダルがかかった舞台にも「とにかく楽しみのひと言」とノーマルヒルの時のようにまったく気負わずジャンプを楽しんでいた小林選手。

惜しくも快挙はなりませんでしたが、持ち前の修正力と、いつもどおり自然体の姿勢が今大会2個目のメダルにつながりました。

2回目 不利な追い風の中での争い

銀メダルを獲得した小林陵侑選手と金メダルのノルウェー、リンドビーク選手との合計ポイントの差は「3.」3。得点の分析から見えたのは勝負の2回目、ともに不利な追い風の中でも圧倒的な飛距離をマークした2人の姿でした。

スキーのジャンプは飛距離を得点化した「飛距離点」と、ジャンプの美しさや正確さ、着地の姿勢などを5人の審判が採点する「飛型点」、さらに風やスタートゲートの位置による影響を得点化したものの合計で順位を競います。

1回目、最後から4番目に登場したリンドビーク選手は不利な追い風の中で、140メートル50をマークしました。ポイントは、「飛距離点」が87.9、「飛型点」が56.5、追い風のため0.4加算され、合わせて144.8でした。

一方、小林陵侑選手はリンドビーク選手の2人あと、最後から2番目に飛びました。
この時は有利な向かい風が弱く吹く中で、出場選手で最も遠く、ジャンプ台記録にもなった142メートルをマークしました。ポイントは、「飛距離点」が90.6、「飛型点」が57点でいずれもリンドビーク選手をリードしました。
ただ、向かい風のため0.6減点され、合わせて147でした。

リンドビーク選手との差は2.2ポイント、飛距離に換算すると1メートルあまりでした。

そして勝負の2回目。先に飛んだのはリンドビーク選手で、風は1回目の時よりも強い追い風でした。その厳しい条件の中でも1回目に迫る140メートルをマークしました。2回目のポイントは、「飛距離点」が87点、「飛型点」が56.5、スタートゲートが下がったことによる加点が4.7、向かい風による加点が3.1で合わせて151.3でした。

次に飛んだ小林陵侑選手の時も不利な追い風でしたが、リンドビーク選手より弱く条件的には恵まれていました。飛距離は138メートルと決して悪くありませんでしたが、リンドビーク選手を2メートル下回りました。2回目のポイントは「飛型点」はリンドビーク選手と同じ56.5、スタートゲートの加点も同じ4.7でしたが、「飛距離点」は83.4で3.6少なく、向かい風による加点も1.2で1.9少なかったため合わせて145.8で、リンドビーク選手より5.5少なくなりました。

この結果、合計ポイントはリンドビーク選手が296.1だったのに対して、小林陵侑選手は292.8。その差3.3ポイントでリンドビーク選手が金メダルを獲得しました。

2回目、同じ不利な追い風でも、それがより強い中でリンドビーク選手が小林陵侑選手より飛距離を伸ばしたことが勝敗を分けましたが、追い風でも圧倒的な飛距離をマークした2人の姿は4年に1度のオリンピックの戦いのレベルの高さを印象づけました。

<2回目 終了>

ジャンプ男子ラージヒル決勝の結果です。
金メダル マリウス・リンドビーク(ノルウェー)296.1ポイント
銀メダル 小林陵侑(日本)292.8ポイント
銅メダル カール・ガイガー(ドイツ)281.3ポイント
15位 佐藤幸椰 260.6ポイント
24位 小林潤志郎 252ポイント
29位 中村直幹 240.9ポイント
【20:39】
2回目の最後30人目に、小林陵侑選手が登場。
飛距離138.0m、得点145.8。合計得点292.8で2位。銀メダルでした。

【20:34】
2回目、25人を終え、ドイツのカール・ガイガーが合計得点281.3で暫定トップ。
残りは5人。1回目トップの小林陵侑選手は最後30人目に登場します。

【20:27】
2回目、20人を終え、スロベニアのペテル・プレブツ選手が合計得点268.7で暫定トップ。残りは10人です。

【20:23】
2回目、15人を終え、オーストリアのシュテファン・クラフト選手が合計得点264.1で暫定トップ。

【20:21】
2回目、14人目に中村直幹選手が登場。飛距離は124.0m、得点は112.3。合計得点240.9で暫定13位。

【20:20】
2回目、13人目に佐藤幸椰選手が登場。飛距離は134.50m、得点は132.2。合計得点260.6で暫定2位。

【20:16】
2回目、10人を終え、フィンランドのアンティ・アールト選手が暫定トップ(合計得点257.2)

【20:11】
2回目、5人を終え、ポーランドのタベウ・バセック選手が暫定トップ(合計得点254.3)。

【20:07】
決勝の2回目が始まりました。
1人目で小林潤志郎選手が登場。飛距離134.0m、得点131.6で、合計得点は252.0でした。

<1回目 結果>

決勝1回目の結果です。
1位 小林陵侑選手(日本)147.0ポイント
2位 マリウス・リンドビーク(ノルウェー)144.8ポイント
3位 ティミ・ザイツ(スロベニア)140.7ポイント
17位 中村直幹選手(日本)128.6ポイント
18位 佐藤幸椰選手(日本)128.4ポイント
30位 小林潤志郎選手(日本)120.4ポイント

日本選手は4人全員が上位30人で争う2回目に進みました。

小林陵侑選手
「試技からすごくいい感じ。もう1本あるので、集中したい。2回目はどういう状況になるかわからないが、自分の満足できるジャンプをしたい」

佐藤幸椰選手
「順位としてはいまいちだが徐々にあってきている感触がある。点差はあまりなくもう1本飛べるのでスムーズな動きができるようにもう1度準備したい」

中村直幹選手
「タイミングが遅れて思うように飛距離は伸びなかったが、こんなものかなと思う。コンディションはいいと思う」
(時間は現地時間。現地時間は日本よりも1時間遅くなります)

【19:48】
50人全員が終了。小林陵侑選手が得点147.0でトップ。2位はノルウェーのマリウス・リンドビーク選手で得点144.8となっています。

【19:46】
小林陵侑選手が49人目に登場。飛距離142.0m、得点147.0で暫定トップに。

【19:42】
45人が終了し、依然としてスロベニアのティミ・ザイツ選手が暫定トップ。

【19:37】
40人が終了し、スロベニアのティミ・ザイツ選手が暫定トップ(飛距離138.5 m、得点140.7)。小林潤志郎選手の2回目進出決定。

【19:34】
38人目に佐藤幸椰選手が登場。飛距離133.0m、得点128.4で暫定10位。

【19:31】
35人が終了。ポーランドのカミル・ストッフ選手が暫定トップ(飛距離137.5m、 得点140.3)。

【19:27】
31人目に中村直幹選手が登場。飛距離134.0m、得点128.6で暫定3位。2回目進出決定。

【19:26】
30人が終了。依然としてROCのダニル・サドレーエフ選手が暫定トップ。

【19:23】
27人目に小林潤志郎選手が登場。飛距離130.0m、得点120.4で暫定9位。

【19:20】
25人が終了し、ROCのダニル・サドレーエフ選手が暫定トップ(飛距離134.0m、得点130.2)。

【19:16】
20人が終了し、フィンランドのアンティ・アールト選手が暫定トップ(飛距離131.0m、得点124.3)。

【19:12】
15人が終了し、ROC(=ロシアオリンピック委員会)のミハイル・ナザロフ選手が暫定トップ(飛距離127.5m、得点118.4)。

【19:08】
10人が終了し、依然としてエストニアのケビン・マルツェ選手が暫定トップ(飛距離126.5m、得点113.6)。

【19:04】
5人が終了し、エストニアのケビン・マルツェ選手が暫定トップ(飛距離126.5m、得点113.6)。

【19:00】
決勝1回目のジャンプ始まる。
小林潤志郎選手が27番目、中村直幹選手は31番目、佐藤幸椰選手は38番目、小林陵侑選手は最後から2番目、全体の49番目に登場します。

<スキージャンプ個人のルール等>

▽ラージヒルのK点は125m。ヒルサイズは140mです。
K点は「飛距離による得点の基準となる」地点。ヒルサイズはジャンプ台の大きさを表すもので、安全に着地できる限界の距離です。

<競技方法>
▽決勝のスタート順は、1回目はワールドカップランキングの下位の選手から上位の選手の順。2回目は1回目の成績の下位から上位の選手の順となります。
2回目に進むことができるのは1回目の上位30選手です。
上位30選手は、2回のジャンプの合計点で順位が決まります。