団体の理事長で中皮腫患者の右田孝雄さんは「突然、発症し、働けなくなった現役世代の患者は年金もなく、月10万円の療養手当では生活を維持できない。患者や家族が困らないよう早急に制度を見直してほしい」と話していました。
団体では、結果を「中皮腫患者白書」としてまとめ、国に支援策の充実を求めることにしています。

アスベストでの中皮腫患者 40%余が困窮 “国の支援策充実を”
アスベスト特有のがん、中皮腫の患者の支援団体が行った調査で、患者の中で経済的な困窮を感じていると答えた割合は40%余りに上り、団体は国に支援策の充実を求めることにしています。
調査は、NPO法人「中皮腫サポートキャラバン隊」が、患者どうしの相談会の参加者を対象に行いました。
アスベストで中皮腫を発症した患者には、労災保険による給付金や、労災の対象外でも医療費や月額10万円の療養手当が支給されていることを踏まえ、調査では経済的な状況を尋ねました。
その結果、「経済的な困窮を感じている」と答えた人は
▽2019年度には回答した100人中45人と45%、
▽2020年度には63人中26人と41%に上りました。
困窮を感じているのは特に50代で多く、子どもの教育費がかかる時期であることなどが理由でした。
また、発症前後の世帯年収を調べた2019年度の調査では、発症した患者の47%が労災や救済制度による支給を含めても収入が減ったと答え、このうち減収幅は200万円以上という人の割合が最も高くなりました。
