平野歩夢 あこがれのショーン・ホワイトとの最後の激闘

北京オリンピックを最後に現役引退を表明しているスノーボード男子ハーフパイプのアメリカ、ショーン・ホワイト選手。
平野歩夢選手にとって、ホワイト選手は幼い頃から世界のトップに君臨していたあこがれの存在でした。

平野選手は早くから頭角を現し、15歳で初めて出場したソチオリンピックでいきなり銀メダリストに。
そして、2回目の出場となった前回ピョンチャン大会。
平野選手はホワイト選手とハーフパイプの歴史に残る名勝負をみせます。
平野選手は2回目に縦2回転、横4回転の大技「ダブルコーク1440」を成功させ、ホワイト選手を上回る95.25を出してトップに立ちます。
追い込まれたホワイト選手でしたが、あとがない3回目、4回転を2回跳ぶ連続技を見事に決めました。
「97.75」と平野選手を上回るハイスコアをたたき出し、王者は土壇場で逆転し金メダルをたぐり寄せました。
今大会、またも同じ舞台に立った2人。
しかしこの4年間で、平野選手は大きく成長していました。

そして全体の最後の滑走になった平野選手の3回目、前回大会を超える軸を斜めに縦に3回転、横に4回転する最高難度の「トリプルコーク1440」。
しかも1回の滑走に4回転を3つも入れる圧巻のパフォーマンスでした。

平野選手はホワイト選手に11点の大差をつけ、ついにオリンピックの頂点に立ったのです。
それはまた、ハーフパイプ界の1つの時代が終わり、新たな歴史が刻まれた瞬間でもありました。

それでも決勝の直後、2人はかたく抱き合い、平野選手は「ショーンは相変わらず、ずっとチャレンジし続けててすごい刺激になった」と第一人者に対して最大限の敬意を示しました。

ホワイト選手に憧れ、一途に技を磨いてきた平野選手。
そして、平野選手が成長するほどに自らもさらなる高みを目指したホワイト選手。

北京オリンピック、スノーボード男子ハーフパイプの決勝は、そんな2人の思いが集約された舞台でもありました。