フィリピン ワクチン接種条件に隔離期間なしの入国再開

東南アジアで新型コロナワクチン接種の完了を条件に外国人の入国制限を緩和する動きが進んでいて、このうちフィリピンでは2年近くに及んだ制限が10日に緩和され旅行者などの入国が再開しました。

フィリピン政府は新型コロナウイルスの感染対策の一環として2020年3月から日本人を含めたすべての外国人の入国を厳しく制限してきました。

しかし国内のワクチン接種率が50%を超えたほか一日の新規感染者数も先月、過去最多の3万9000人余りに上ったあとは減少に転じ、9日は10分の1以下の3600人余りでした。

こうした状況を受けフィリピン政府は10日、日本を含めた157か国から渡航する外国人を対象にワクチンの接種を終えていることなどを条件に隔離期間なしの入国を再開させました。

首都マニラの国際空港に到着したマレーシア人の男性は「国境が開くと知りこの2年間離れ離れだったフィリピン人のパートナーと結婚するため、最初の飛行機に乗ってきました」と話していました。

東南アジア 外国人旅行者の受け入れ再開の動き

東南アジアでは経済の立て直しに向けワクチン接種の完了を条件に外国人旅行者の受け入れを再開する動きが進んでいて、タイでは今月1日からすべての入国者に対する隔離を免除しているほか、マレーシアでも政府の諮問機関が早ければ来月1日から入国後の隔離を免除して外国人旅行者の受け入れを再開するべきだと勧告しています。

インドも水際対策を緩和へ

インド政府はすべての入国者に義務づけてきた7日間の隔離措置などの水際対策を今月14日から緩和する方針を明らかにしました。

インドでは新型コロナの新規感染者数が昨年末から再び増え始めたことを受け先月11日以降、すべての入国者を対象に7日間の隔離や入国後8日目にPCR検査を受けることを義務付けるなど水際対策を強化してきました。

その後、新規感染者数が先月下旬から減少に転じ医療施設の受け入れ態勢にも問題がないことなどを受け、インド政府は今月14日以降、入国者へのこうした検疫措置を行わない方針を明らかにしました。

ただ入国者はこれまでどおり出発前の72時間以内に受けたPCR検査で陰性だったことを証明する書類を提出する必要があるほか、入国者の一部を無作為に選んでPCR検査を行う措置は続けるとしています。

WHO=世界保健機関によりますと、今月6日時点のまとめで世界全体では1週間の新規感染者数は前の週に比べて17%の減少となっています。