九州の建設アスベスト訴訟 建材メーカー4社の敗訴確定 最高裁

九州各地の建設現場で働いていた元作業員がアスベストを吸い込み、肺がんになったなどとして国と建材メーカーに賠償を求めた集団訴訟で、最高裁判所は双方の上告を退ける決定をし、建材メーカー4社の責任を認めた2審の判決が確定しました。
国との間では去年、和解が成立していて、建設アスベストをめぐる九州の裁判はこれで終結しました。

福岡など九州の建設現場で働いていた元作業員やその家族は、建材のアスベストを吸い込んで肺がんになったなどとして、国と建材メーカー12社に賠償を求めました。

1審は国に賠償を命じた一方、企業に対する訴えは退けましたが、2審の福岡高等裁判所は国のほか、一部の企業の責任も認め、4社に対し合わせて1億2500万円余りの賠償を命じました。

双方が上告し、国とは52人の原告に対し3億5000万円余りが支払われることで去年12月に和解が成立しましたが、企業との間で裁判が続いていました。

これについて最高裁判所第2小法廷の菅野博之裁判長は10日までに、双方の上告を退ける決定をし、建材メーカー4社の責任を認めた2審の判決が確定しました。

2審は屋根や外壁に使われる外装材を扱う企業についても、「屋外の作業でもアスベストを吸い込む可能性があり、外装材の作業がすべて屋外で行われるとも限らない」として責任を認めました。

建設現場のアスベストをめぐる各地の集団訴訟でこの判断が確定するのは初めてです。

原告団長 平さん「生きて裁判を終えられてうれしい」

裁判の終結を受け、福岡県に住む3人の原告が会見し心境を語りました。

大工をしていてアスベストで肺がんを患ったという原告団長の平元薫さん(78)は「10年あまりにわたる裁判で、よく頑張ったと思います。体調が悪く、がんと言われたときはここまで生きられると思っていなかったので、生きて裁判を終えられてうれしいです」と話しました。

また亡くなった内装工の夫の代わりに裁判を続けてきた副団長の柴田清子さん(72)は「長い裁判の間に亡くなった原告もいました。この喜びをみんなと分かち合いたいです」と話していました。

内装工だった夫を15年前に肺がんで亡くしたという中村吉子さん(77)は「夫は中学卒業以来、ずっと内装工事をして傷や病気にも耐えてきましたが、アスベストだけには負けてしまいました。喜んでいると思いますが、企業が謝ってくれないことが悔しいです」と話していました。