政府 オミクロン株の特徴踏まえ 基本的対処方針を変更

政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、政府の分科会の提言を受けてオミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策などを新たに盛り込みました。

オミクロン株の特徴

変更された基本的対処方針では、オミクロン株の特徴として「飛まつや換気の悪い場所でのごく小さな飛まつ=エアロゾルによる感染が多く、子どもが感染しやすくなっており、学校などでの感染に加え、家庭に持ち帰り、家庭内で感染が拡大する事例が見られている」としています。

また「従来のデルタ株と比較して重症化しにくい可能性が示唆されているものの、高齢者を中心に基礎疾患がある人は、オミクロン株への感染がきっかけとなって基礎疾患が悪化する事例が多く発生している」としています。

特徴を踏まえた感染防止策

そのうえで、こうした特徴を踏まえた感染防止策として、飲食はなるべく少人数で「黙食」を基本とすること、会話の際にはマスクの着用を徹底すること、感染リスクが高い場面・場所への外出は避けること、家庭内でも定期的な換気やこまめな手洗いを行うことなどを求めています。

学校などでは、特に感染リスクが高い教育活動は基本的に実施を控え、感染が拡大していない地域では慎重に実施を検討するとしています。

一方、学校全体を臨時休業とする前に、時差登校や分散登校、オンライン学習を組み合わせた対応を行うとともに、感染者が発生していない学校全体の臨時休業は慎重に検討するとしています。

保育所などは、社会機能を維持するために、原則として開園を要請するとともに、休園した場合には、代替保育を確保するなどして地域の保育機能を維持するとしています。

そのうえで、感染リスクが高い活動を避け、児童をできるだけ少人数のグループに分けるなど感染を広げない形での保育を行うとともに、保護者が参加する行事の延期などを含め、大人数での行事を自粛するとしています。

保育所などでの子どものマスク着用については、発育状況などから無理なく着用できると判断される児童については、可能な範囲で、一時的に勧めるとしつつ、2歳未満は勧めないとしています。

また、低年齢の子どもについては、特に慎重な対応を求めていて、一律に着用を求めたり、児童や保護者の意図に反して実質的に無理強いしたりすることにならないよう、適切な運用につなげるとしています。

高齢者施設については、ワクチンの3回目接種を速やかに実施するとともに、利用者が回復して退院する場合に早期に受け入れられるよう、医師・看護師などの派遣を受けて体制の強化を図るとしています。

また、面会者からの感染を防ぐため、感染が拡大している地域では、オンラインによる面会も含めた対応を検討するとしています。

そして事業者には、テレワークの活用などによる出勤者数の削減目標を前倒しで設定することや、BCP=事業継続計画の確認を進めることを求めています。

3回目のワクチン接種

ワクチンの3回目接種については、今月のできるだけ早期に一日100万回まで加速化することを目指し、接種券の配布促進や接種会場の増設、それに職域接種の積極的な活用などを進めるとしています。

また高齢者の接種を前倒しするとともに、予約に空きがあれば、できるだけ多くの一般の人もさらに前倒しし、いわゆる「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断で、優先的に接種を進めるとしています。

抗原定性検査キット

供給不足が生じている抗原定性検査キットについては、国が買い取り保証を行い、緊急の増産や輸入を要請することや、優先度に応じた物流の流れを作ることによって、確保に万全を期すとしています。

医療提供体制

医療提供体制については、国と都道府県が協働で、臨時の医療施設などを新たに増設したうえで、高齢者の受け入れを想定した体制の強化を図るとしています。

濃厚接触者の待機期間

このほか、濃厚接触者に求めている自宅などでの待機期間について、常に接触のある家庭内では、感染者の発症日か感染対策を講じた日のいずれか遅いほうから7日間に短縮したことも盛り込みました。