熊本県産偽ったアサリ 市場から一掃へ 影響はハマグリにも

外国産のアサリを熊本県産と偽って販売されていた可能性がある問題で、熊本県内の漁協は県の要請を受けて8日からおよそ2か月間アサリの出荷を取りやめます。

この問題は、農林水産省が去年12月までの3か月間、全国の小売店1000店舗余りで販売されている熊本県産のアサリの調査を行った結果、推計の販売量が2485トンあり、熊本県でとれた年間の漁獲量の80倍を超えていたことが分かったものです。

熊本県は、こうしたアサリを市場から一掃するため、県産のアサリを出荷停止にするよう県漁連に要請しました。

県内37の漁協は、8日からおよそ2か月間、組合員に対しアサリの漁獲と出荷の停止を行うよう通知しました。

宇土市にある道の駅でも、県産の天然アサリの販売をすべて見合わせ、中国産のアサリのみを販売する対応をとっています。

訪れた70代の男性は「きちんと熊本産のものと分かるまでは信用できないし、買わないです」と話していました。

「道の駅宇土マリーナ おこしき館」の村松勇人駅長は「アサリを目当てに道の駅に来るお客さんもいるので、販売できないのは厳しいが、県の要請にはしたがって対応していきたい」と話していました。

影響はハマグリにも

外国産のアサリが熊本県産と偽って販売されていた可能性がある問題で、県内の一部の漁協で県産のハマグリが「今は売れない」として大量に返品されていたことがわかりました。

県産のハマグリが大量に返品されたのは熊本市南区の川口漁協です。

今月3日、県外の商社にハマグリ2トンあまりをおよそ300万円で販売したところ、2日後に「小売店から熊本県産は今は売れない」として返品されたということです。

このため、漁協では、返品されたハマグリを今月6日、海に戻す措置をとりました。

熊本県によりますと、今回のアサリの問題が起きて以降、県産の水産物が買い手がつかず大量に返品されたのは初めてだということです。

この漁協では、1か月に2度、ハマグリの漁を行っていますが、今回の小売店の反応を受けて出荷を当面、見合わせるほか、県漁連が今月10日に開く予定の入札会も中止したということです。

漁協によりますと、熊本県産のハマグリは、砂浜でとれた茶色く大きい天然ものしかなく白っぽい中国産とは見分けることができるということです。

川口漁協の藤森隆美組合長は「明らかな風評被害でひな祭りに向けて、需要が増加し、高値で取り引きされる時期だけに怒り以外の何物でもない。消費者に誠意を尽くして熊本産のブランドを信用してもらえるよう努力するしかない」と話していました。