塩野義製薬 新型コロナの飲み薬 来週にも国に承認申請か

大阪に本社がある「塩野義製薬」は、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について、これまでの治験で高い有効性が見られているなどとして、来週にも国に承認申請する可能性があると明らかにしました。承認申請すれば、国内の製薬会社の新型コロナの飲み薬としては初めてとなります。

これは塩野義製薬が7日、東京都内で開いた記者会見で明らかにしました。

塩野義製薬は、新型コロナに感染した軽症や中等症、それに無症状の患者向けの飲み薬の治験を行っています。

治験では12歳から60代の患者69人を対象に、1日1回、5日間薬を服用するグループと偽の薬を服用するグループで比較していて、薬の投与を3回受けたあとでは、感染性のあるウイルスがある人の割合が、薬の用量が多い場合には80%、用量が少ない場合は63%減少したということです。

また、薬を服用したグループではウイルスが陰性になるまでの時間が2日間短く、入院が必要になった人はいなかったということです。

さらに副作用も軽度だったということで、会社では現在進めているおよそ400人が対象の治験のデータを分析し、高い有効性が認められれば、最終段階の治験の結果を待たずに、来週から再来週にも国に承認申請する可能性があるとしています。

承認申請すれば、国内の製薬会社の新型コロナの飲み薬としては初めてとなります。

手代木功社長は「非常によい手応えを感じている。今回のデータを次の段階で再現できれば、非常にいい薬剤になる可能性が高い」と話しています。