衆院予算委 首相“1日当たり100万回接種 早期実現へ政府一丸”

国会では7日、衆議院予算委員会で集中審議が行われています。岸田総理大臣は新型コロナワクチンの3回目の接種をめぐって、今月のできるだけ早い時期に1日当たり100万回の接種を実現できるよう、政府一丸となって取り組む方針を示しました。

▽自民党の谷公一氏は新型コロナワクチンの3回目接種について「現時点で接種が済んでいるのはおよそ600万人で、高齢者などの対象者を今月中に終えるためには1日100万回接種しないと達成できない。2月が正念場で勝負の月だ。しっかりとした目標を設定して接種を進めるべきだ」と質問しました。

岸田総理大臣は「2月のできるだけ早期に1日100万回までペースアップすることを目指し取り組みを強化していきたい。岸田政権としても明確な目標を掲げ政府一丸となって1日も早く希望者への接種を進めていきたい」と述べました。

そして、配布したワクチンをフル活用して最大限の前倒しが進むよう自治体に協力を呼びかけることなどを指示したことを明らかにしました。

また、7日から始まった大阪での自衛隊による大規模接種に関連し、今月14日をめどに大阪会場の接種回数を1日当たり2500回程度まで拡大したいという考えを示しました。
▽立憲民主党の小川政務調査会長は「われわれが3回目の前倒し接種を要請したのは去年の4月だ。1日100万回の接種を表明したが、ワンテンポ、ツーテンポ遅かったのではないか」とただしました。

岸田総理大臣は「3回目の接種は、去年11月に薬事承認を得て12月から開始した。こういう状況の中で、6か月の間隔をあけて行うということであり、まさにいまからが本格化するタイミングだ。1日も早く1日100万回の接種を実現していきたい」と述べました。

一方、岸田総理大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について「世界にも前例のない困難な取り組みだ。福島の復興のために必ず成し遂げるという強い決意のもと、国も前面に立って安全かつ着実に進めていかなければならない」と述べました。

また、5人の総理大臣経験者が、東京電力の福島第一原発の事故で多くの子どもが甲状腺がんに苦しんでいるなどとした書簡を、EU=ヨーロッパ連合に送ったことについて「記述は適切でないことからEUの駐日大使にも山口環境大臣から直接説明し、執行機関にあたる欧州委員会の委員長への伝達をお願いするレターを託した」と述べました。

そのうえで「懸命な努力をしてきた結果、風評の払拭(ふっしょく)が進んできた。さまざまな機会をとらえて科学的知見に基づく国内外への発信を行いながら、風評の払拭、復興再生に責任を持って取り組む決意だ」と述べました。

官房長官「1日も早く希望する方々への接種を」

松野官房長官は午前の記者会見で「今月から一般の高齢者への前倒し接種が本格化していることを踏まえ、国、自治体、企業を挙げて、今月のできるだけ早期に1日100万回までのペースアップを目指すこととした。接種促進のための環境整備に国としても積極的に取り組んでいく。明確な目標を掲げ、政府一丸となって1日も早く希望する方々への接種を進めていきたい」と述べました。