フィギュアスケート団体【詳細】日本 銅メダル この種目で初

北京オリンピックのフィギュアスケート団体の決勝、最終種目の女子シングルのフリーで坂本花織選手が148.66で2位となり、日本は、合計のポイントで3位となってこの種目初のメダルとなる銅メダルを獲得しました。

フィギュアスケート団体は、日本を含む10チームが参加して男女のシングルとペア、アイスダンスの4種目ごとに1位に10ポイント、2位に9ポイントなど、順位に応じてポイントが与えられ総合成績で競います。

団体の決勝2日目の7日は、ペアのフリーとアイスダンスのフリーダンス、そして最終種目となる女子シングルのフリーが行われました。

ペアのフリーでは、三浦璃来選手と木原龍一選手が自己ベストをマークして2位、続くアイスダンスのリズムダンスで日本の小松原美里選手と夫の尊選手のカップルが5位となり、日本は、最終種目を残して合計54ポイントで、58ポイントの2位アメリカに次いで3位につけていました。
メダルの色をかけて臨んだ女子シングルのフリーでは、日本の坂本花織選手が基礎点が1.1倍になる演技後半の3回転・3回転の連続ジャンプを決めるなど大きなミスなく滑りきり、148.66をマークして2位に入りました。
この結果、日本は9ポイントを追加して合計63ポイントで3位となり、この種目初のメダルとなる銅メダルを獲得しました。

女子シングルフリーの1位はROC=ロシアオリンピック委員会の15歳、カミラ・ワリエワ選手で178.92をマークしました。
この結果、金メダルはロシアオリンピック委員会で74ポイント、銀メダルはアメリカで65ポイントでした。
団体で初めて銅メダルを獲得した日本チームの8人は、フラワーセレモニーに参加し、団体に出場した男子シングルの宇野昌磨選手と鍵山優真選手、女子シングルの樋口新葉選手と坂本花織選手、ペアの三浦選手と木原選手、アイスダンスの小松原美里選手と夫の尊選手の8人は、手を振りながら表彰台にあがりました。
1人1人、公式マスコット「ビン・ドゥンドゥン」を受け取って、喜びをかみしめていました。

ペアの三浦選手は「私たちもできることはやれたので、メダルというのはすごくうれしいです」と話していました。また木原選手は「先週から全員が最高のバトンをつないでくれて、すばらしい団体戦でした」と話していました。

アイスダンスの小松原美里選手は「みんながノーミスというこんなすごいことはないなと思います」と話していました。夫の尊選手は、「ほかの選手を見ながら元気をもらって一緒に滑ることができて、とても光栄に思いました」と話していました。

男子シングルの宇野昌磨選手は「この4年間でこれだけレベルがあがり、銅メダルをとるところまで成長できたことに感激している」と喜びを口にしました。

男子シングルのフリーで自己ベストを大幅に更新して1位となった鍵山優真選手は「みんなで喜びを分かち合うのが団体戦のすばらしさだと思うので、メダルをとれてうれしい」と話していました。

女子シングルの坂本花織選手は「女子のフリーが最後で、緊張がすごくてこれでメダルがとれなかったらどうしようとかすごく考えてしまっていた。ただ、練習はやってきていたので、練習どおりにやるだけだと思ったら気持ちが楽になったし、みんなが頑張ってくれたおかげで余裕をもって滑ることができた」と振り返っていました。そのうえで「みんなの力でメダルをとることができた。本当にうれしい」と喜びを語っていました。

同じく女子シングルの樋口新葉選手は「初日からみんなに流れを作ってもらってその流れに乗って最後まで滑りきることができてすごくうれしい」と話していました。

初のメダル引き寄せた“ペアの成長”と“冷静な戦略”

2014年のソチオリンピックから始まったフィギュアスケートの団体で初のメダルを獲得した日本。この快挙達成の要因には世界と力の差があったペアの躍進と冷静なチーム戦略があげられます。

過去の2大会、日本はいずれもペアで予選のショートプログラムは8位、決勝のフリーは最下位の5位と上位チームと差をつけられていました。
今大会でその差を埋めたのが20歳の三浦璃来選手と29歳の木原龍一選手、“りくりゅう”ペアと呼ばれる2人です。2019年にペアを結成してまだ3シーズン目ですが、今シーズンのグランプリシリーズで日本選手どうしのペアとして初めて表彰台にあがるなど成長著しい2人は、ショートプログラムで4位、フリーで2位に入り、チームの躍進に大きく貢献しました。

2人の今シーズンのテーマは「過去の自分たちを超える」で、その言葉のとおりに自己ベストを更新し続けていて、個人戦での上位進出にも期待が高まっています。
もう1つ、メダルをたぐり寄せたのがチームとしての冷静な戦略です。6日に行われた女子シングルのショートプログラムには、オリンピック初出場の樋口新葉選手を起用しました。
樋口選手の武器は大技のトリプルアクセルで、今シーズンは去年11月に出場した国際大会でトリプルアクセルを入れたショートプログラムで、今シーズンの世界3位となる高得点をマークしていました。しかし、今回の団体では失敗のリスクがあるトリプルアクセルを回避してROCのカミラ・ワリエワ選手に次ぐ2位に入りました。
今シーズン、世界最高得点をマークしているワリエワ選手を意識して、大技に挑むことよりも堅実な演技で上位に入ることを優先したのです。

日本スケート連盟の竹内洋輔フィギュア強化部長は「団体は個人のスコアではなく、その順位によるポイントで競う。樋口選手は冷静な判断と素晴らしい演技でバトンをつないでくれた」と評価していました。

ペアの躍進とチームとしての冷静な戦略がこの種目で日本初となるメダルをたぐり寄せました。

フィギュアスケート団体 最終結果

1位 ROC:合計ポイント 74
2位 アメリカ:合計ポイント 65
3位 日本:合計ポイント 63
4位 カナダ:合計ポイント 53
5位 中国:合計ポイント 50

<女子シングル フリー結果>

1位 カミラ・ワリエワ(ROC)
 得点178.92(技術点105.25、演技構成点74.67、減点-1.00)
2位 坂本花織(日本)
 得点148.66(技術点: 76.93、演技構成点: 71.73)
3位 シーザス・マデリン(カナダ)
 得点132.04(技術点: 67.53、演技構成点: 64.51)
4位 カレン・チェン(アメリカ)
 得点 131.52(技術点: 65.68、演技構成点: 65.84)
5位 朱易(中国)
 得点91.41(技術点: 42.79、演技構成点: 50.62、減点: -2.00)

坂本花織選手は、持ち味の高さと幅のあるダイナミックなジャンプなど大きなミスなくまとめ、148.66をマークしました。

<アイスダンス フリーダンス終了後 チーム別順位>

1位 ROC:合計ポイント 64
2位 アメリカ:合計ポイント 58
3位 日本:合計ポイント 54
4位 カナダ:合計ポイント 45
5位 中国:合計ポイント 44

<アイスダンス フリーダンス結果>

1位 マディソン・チョーク/エバン・ベイツ(アメリカ)
 得点129.07(技術点71.81、演技構成点57.26)
2位 ビクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ROC)
 得点128.17(技術点: 71.42、演技構成点: 57.75、減点-1.00)
3位 パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)
 得点124.39(技術点: 68.73、演技構成点: 55.66)
4位 柳キン宇/王詩ゲツ(中国)
 得点107.18(技術点: 57.41、演技構成点: 49.77)
5位 小松原美里/小松原尊(日本)
 得点98.66(技術点: 54.29、演技構成点: 44.37)
アイスダンスのフリーダンスで5組中、最初に演技をした日本の小松原美里選手と夫の尊選手のカップルは、息のあった演技を見せて98.66をマークしました。演技後、2人はお互いをたたえ合いながらほっとした表情で拍手に応えていました。
小松原美里選手は「世界のすばらしいレベルのカップルたちから大きな刺激を受けて滑ることができた。成長する糧になった」と話したうえで、「前に滑った三浦選手と木原選手のペアからすごく元気をもらって、自分たちも今できるベストを尽くそうという気持ちで頑張った。できることはやれたと思う」とほっとした表情で演技を振り返っていました。
夫の尊選手は、「大きなミスがなく、とてもうれしかった。世界の舞台で演技できたことを自分の心の中で大切にしていきたい」と話していました。

<ペア フリー後 チーム別順位>日本のメダル確定

1位 ROC:合計ポイント 55
2位 日本:合計ポイント 48
3位 アメリカ:合計ポイント 48
4位 中国:合計ポイント 37
5位 カナダ:合計ポイント 37

日本は2種目めのペアのフリーを終え合計で48ポイントを獲得して2位となり、4位中国と5位カナダとの差が11ポイントとなりました。
この結果、残り2種目でいずれも日本が最下位で12ポイントの獲得に終わり、下位の2チームのいずれかがトップに立って20ポイントを獲得しても、日本を上回らなくなりました。
このため、日本が、このあとのアイスダンスのフリーダンスと女子シングルのフリーを滑りきれば、銅メダル以上が確定することになりました。
日本は団体で初のメダル獲得となります。

【ペア フリー結果】

1位 アナスタシヤ・ミシナ/アレクサンドル・ガリアモフ(ROC)
 得点145.20(技術点: 74.97、演技構成点: 72.23、減点: -2.00)
2位 三浦璃来/木原龍一(日本)
 得点139.60(技術点: 70.11、演技構成点: 69.49)
3位 程彭/金楊(中国)
 得点131.75(技術点63.35、演技構成点68.40)
4位 バネッサ・ジェイムス/エリック・ラドフォード(カナダ)
 得点130.07(技術点: 64.46、演技構成点: 65.61)
5位 アレクサ・クニエリム/ブランドン・フレイジャー(アメリカ)
 得点128.97(技術点: 62.74、演技構成点: 66.23)
三浦璃来選手と木原龍一選手のペアは、高さのある「ツイストリフト」や木原選手が三浦選手を投げる3回転の「スロージャンプ」などで息のあった演技を見せました。さらに、スピンでは最高評価のレベル4を獲得しました。この結果、自己ベストを4点以上更新する139.60をマークしました。
フリーを終え三浦選手は「大きなミスはなかったが、もっと磨きあげられるように頑張りたい」と話したうえで、「団体戦ということで日本の選手だけでなく海外の選手も立って応援してくれて、いつも以上に滑っていて楽しかった」とうれしそうな表情で演技を振り返っていました。
木原選手は、「よい流れをつないでくれていたチームメイトのためにもきょうの1番手である僕たちがなんとしてもよい流れを作りたいという思いがあった。無事に終えられて次のアイスダンスにバトンをつなぐことができて本当によかった」と話していました。

<ペア フリー滑走順>

1 バネッサ・ジェイムス/エリック・ラドフォード(カナダ)
2 三浦璃来/木原龍一(日本)
3 アレクサ・クニエリム/ブランドン・フレイジャー(アメリカ)
4 アナスタシヤ・ミシナ/アレクサンドル・ガリアモフ(ROC)
5 程彭/金楊(中国)

<アイスダンス フリーダンス滑走順>

1 小松原美里/小松原尊(日本)
2 柳キン宇/王詩ゲツ(中国)
3 パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)
4 ビクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ROC)
5 マディソン・チョーク/エバン・ベイツ(アメリカ)

<女子シングル フリー滑走順>

1 朱易(中国)
2 カレン・チェン(アメリカ)
3 シーザス・マデリン(カナダ)
4 坂本花織(日本)
5 カミラ・ワリエワ(ROC)

<団体 6日の男子フリー終了時点の順位>

1位 ROC:合計ポイント45
2位 アメリカ:合計ポイント42
3位 日本:合計ポイント39
4位 カナダ:合計ポイント30
5位 中国:合計ポイント29