“脱炭素を進める” 製紙メーカー 成長早い樹木の生産を本格化

脱炭素を進めようと、国内の製紙メーカーの間では標準的な品種より成長が速く、大気中の二酸化炭素を多く吸収するスギやヒノキの生産に乗り出すなど、森林を活用した取り組みが本格化しています。

このうち日本製紙は、会社の研究施設などでエリートツリーと呼ばれる苗木の生産をことしから本格化させます。

エリートツリーは、スギやヒノキなどから成長が速い個体を選んで交配したもので、標準的な品種と比べ、おおむね1.5倍の速さで成長し、花粉の量が半分以下などの目安があり、より多くの二酸化炭素を吸収するのが特徴です。

会社では、国内に9万ヘクタールある社有林でエリートツリーを植林しているほか、森林事業者にも苗木の販売を進めています。

育ったあとは建材などとして販売する計画です。

日本製紙森林資源研究室の根岸直希主任研究員は「海外の植林事業で培った苗の生産技術などをいかし、エリートツリーの普及に努めていきたい」と話していました。

また、王子ホールディングスは、温室効果ガスの排出量に応じて過不足分を売買する「排出量取引」もみすえて、2030年度までにおよそ1000億円をかけて海外で15万ヘクタールの森林を取得し、植林する方針です。

事業活動で排出される二酸化炭素を減らすだけでなく、吸収する樹木に注目した取り組みが広がっています。