アイスホッケー女子 日本は中国に敗れるも初の決勝T進出

北京オリンピックのアイスホッケー女子で、日本代表「スマイルジャパン」は6日に予選リーグ・グループBの第3戦で中国にペナルティー・ショット・シュートアウトのすえ、1対2で敗れました。この結果、日本は2勝1敗となりましたが、勝ち点1を加えて初めての決勝トーナメント進出が決まりました。

予選リーグは世界ランキングの上位5チームがグループAに、下位5チームがグループBに振り分けられ、世界ランキング6位の日本はグループBで上位3チームに入れば、決勝トーナメントに進むことができます。

ここまで2連勝の日本は第3戦で世界ランキング20位の中国と対戦しました。

日本は第1ピリオド、細山田茜選手が今大会、初ゴールとなるロングシュートを決めて先制しました。
第2ピリオド以降は、アメリカやカナダ出身の選手を多くそろえて体格とパワーで勝る中国に押され気味となりました。そして最終第3ピリオド、日本は開始直後にゴールキーパーがパックをこぼした一瞬のスキを突かれて失点し、1対1の同点に追いつかれました。

このあとは互いに得点がないまま5分間の延長戦でも決着がつかず、試合は5人の選手がペナルティー・ショットを打ち合うシュートアウトに持ち込まれました。
ここで中国は4人目の選手がゴールを決めて1点を加えたのに対し、日本は全員がシュートを失敗し、1対2で敗れました。
この結果、日本は通算成績が2勝1敗となりましたが、勝ち点1を加えて7に伸ばしグループBの3位以上が確定したため、8日の予選リーグ最終戦を前に決勝トーナメント進出が決まりました。

日本は4回目のオリンピックで初めての決勝トーナメント進出です。

選手 監督談話

先制ゴールを決めた細山田茜選手は「間違いなくタフな試合になると思っていた。チャンスは何度もあったが決めることができなかった」と追加点を奪えなかったことを課題に挙げていました。次の試合に向けては「きょうは運が悪かったと切り替えて、プレーしていきたい」と話していました。

飯塚祐司監督は「厳しい試合になることはわかっていた。自分たちはチャンスで決めることができず、相手がチャンスをものにした」とリードを守り切れなかった展開を悔やみました。次のチェコとの試合に向けては「最も厳しい戦いになると思うが、必死に戦って予選リーグのトップ通過を目指したい」と気持ちを新たにしていました。

日本代表(白のユニホーム)

【スタメン】(カッコ内数字は今大会得点数)
1 藤本那菜=GK
3 志賀 葵/4 床亜矢可(1)/14床秦留可(1)/15浮田留衣(2)/16志賀紅音(1)
-------------------------------------------------------------------------
30小西あかね=GK
2 小池詩織(1)/8 細山田茜/10米山知奈(2)/21久保英恵/23山下 光(1)
6 鈴木世奈/7 川島有紀子/12大澤ちほ/18高 涼風/27小山玲弥
28山下 栞/13藤本もえこ/19大滝知香 /11三浦芽依/22獅子内美帆

【試合詳細】

第1P 試合開始

アイスホッケー女子の日本代表「スマイルジャパン」の第3戦、中国との試合が始まりました。

第1P 残り17分ごろ

日本の最初のシュートは2試合連続でゴールを決めている浮田留衣選手でした。得点はなりませんでした。中国も積極的にシュートを打ってきていて、序盤は一進一退の攻防です。

第1P 残り15分

ここまで日本のシュート1本に対し中国は3本です。
今大会、会場に入れるのは招待客や関係者のみとされていますが、中国語で応援するような声も聞こえます。

第1P 残り11分ごろ 中国の選手がリンク上で倒れ試合が一時中断

味方同士で交錯した中国選手が負傷し立ち上がることができなくなりました。負傷した選手はスタッフによってストレッチャーでリンクの外に運び出されました。

第1P 残り10分 日本 中国に押し込まれる時間帯が続く

日本は体格の大きい中国の厳しいチェックに苦しみ開始10分を過ぎてもシュート1本となかなかチャンスを作れません。守備に回る時間が長くなっていますが、ゴールキーパーの藤本那菜選手を中心に得点は与えていません。

第1P 残り3分12秒

中国が「イリーガルヒット」(=体当たり)の反則で選手1人が2分間の退場。日本のパワープレーになりました。

第1P 残り1分58秒 日本先制 日本 1-0 中国

パワープレーが続く中、日本はディフェンダーの細山田茜選手のロングシュートで先制しました。キャプテンの大澤ちほ選手がゴールキーパーの視界をさえぎるスクリーンプレーも光りました。細山田選手は今大会初得点です。

本来、得点するとパワープレーは終わりますが、中国に新たな「イリーガルヒット」の反則があり、日本のパワープレーが続くことになりました。

第1P 終了

第1ピリオドのシュート数は日本の9本に対し中国は7本でした。
開始直後は中国に押し込まれて守る展開が多かった日本ですがその後盛り返し、逆に攻めに回る時間が増えてきました。

第2P 開始直後から日本が攻勢

第2ピリオドが始まりました。開始早々、浮田留衣選手が速攻で角度のないところからシュートを狙い、さらに山下光選手もゴールキーパーと1対1のチャンスを迎えましたが、いずれも得点はなりませんでした。日本が積極的に攻めています。

第2P 残り12分57秒

中国の「イリーガルヒット」の反則で日本の3回目のパワープレーとなりました。39歳の久保英恵選手を加えたスペシャルセットで追加点を狙いましたが、得点はなりませんでした。

第2P 残り5分

日本の21本に対し中国13本とシュート数は上回っています。シュートを打ち合う展開が増えていますが互いに決定的なチャンスは作ることができません。

第2P終了 中国が攻勢を強めるも日本は点を許さず

ここまでのシュートは日本の22本に対し中国は16本でした。

第3P 開始 

第3P 18分54秒 日本同点に追いつかれる 日本 1-1 中国

日本は自陣でパックを奪われると、ゴールキーパーの藤本選手が相手選手のシュートをはじいたところをゴールに押し込まれ1対1の同点とされました。

第3P 残り13分ごろ

日本は失点をしたあとも危ない場面が続きましたが何とか追加点は与えず、逆に20歳のフォワード、志賀紅音選手が反撃を狙ってシュートを打ちましたが得点はできませんでした。

第3P 残り5分

ここまでのシュート数は日本27本に対して中国22本ですが、中国が攻勢を強め防戦一方の展開ですが、日本はゴールキーパーの藤本選手を中心に何とか追加点は与えていません。

第3P 終了 試合は延長戦へ

試合は第3ピリオドまでで決着がつきませんでした。
試合は延長戦に入ります。

延長戦開始

5分間の延長戦が始まりました。
序盤から両チームともシュートを打ち合う展開です。
キーパーを除いて3人対3人の状態で、ゴールが決まった段階で試合が終わります。

延長戦 残り2分15秒

中国の選手が体ごと日本のゴールにパックを押し込んだように見えましたが、ビデオ判定の結果、中国の得点は認められませんでした。

延長戦 残り1分 日本のシュート決まらず終了

小池詩織選手が速攻からフリーでシュートを打ちましたがゴールはならず、さらに終了間際にはキャプテンの大澤ちほ選手もゴールを狙いましたが、これも得点はなりませんでした。
試合は1対1のまま延長戦でも決着がつかず、5人の選手が交互にペナルティーショットを打つシュートアウトにもつれこみました。

ペナルティー・ショット・シュートアウト 日本はゴールならず

【日本】(先攻)
久保× 志賀紅音× 浮田留衣× 床秦留可× 床亜矢可×
【中国】(後攻)
1人目× 2人目× 3人目× 4人目○

初の決勝トーナメント進出 その裏にあった「努力」とは

決勝トーナメント進出という大きな壁を超えた背景には、弱点と向き合い、新たなスタイルを磨いてきた選手たちの4年間の努力がありました。

前回ピョンチャン大会でオリンピック初勝利をあげたものの予選リーグ突破はならなかったスマイルジャパン。最大の課題は得点力不足でした。

北京大会に向けて指揮を執ることになった飯塚祐司監督は日本ならではの素早い攻撃だけでは足りないと考え、フィジカルの強化に正面から向き合いました。
女子はルール上、体当たりが禁止されているとは言え、そこは氷上の格闘技と呼ばれるアイスホッケー。パックの奪い合いで負けない力強さは欠かせません。

新型コロナの影響で国際大会が開催されない期間も個々のレベルアップにあて、選手ごとにウエイトトレーニングの数値目標を定めてフィジカルを徹底して強化。氷上の練習でも1対1での競り合いをメニューに多く取り入れ、接点の強さを身につけてきました。そして、フォワードだけでなくディフェンダーも積極的に攻撃に参加するスタイルを築いてきました。

その成果が発揮された今大会。日本は体格の大きな相手にもひるむことなく勝負を挑み、得点を重ねました。
好調なフォワード陣だけでなく、小池詩織選手や床亜矢可選手など要所でディフェンダーが攻撃参加して得点する場面も目立ち、狙いがはまりました。

さらに第3戦ではキャプテンの大澤ちほ選手が相手のゴールキーパーの前に立って視界をさえぎる「スクリーン」というプレーがゴールにつながりました。
これも得点パターンを増やすために磨いてきた形でした。個々の競り合いで負けず、果敢にゴールを狙うスマイルジャパンの新たなスタイル。第3戦には敗れたものの決勝トーナメント進出という1つの目標は果たしました。

ただ、選手たちは満足していません。予選リーグ1位での通過と、その先にあるベストフォーというさらに大きな目標を見据えています。