北京五輪 習主席が開幕宣言 聖火最終ランナーにウイグル族選手

北京オリンピックは4日夜、開会式が行われ、習近平国家主席が開幕を宣言して17日間の日程が始まりました。
アメリカなどが、新疆ウイグル自治区などでの人権問題を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を行う中、式では、聖火リレーの最終ランナーをウイグル族の女性選手らが務める場面もありました。

4日夜、国家スタジアム、通称「鳥の巣」で行われた北京オリンピックの開会式は、新型コロナウイルスの感染対策などを理由に、一般向けにチケットは販売されず、観客は招待された人に限られ、時間もおよそ2時間半と、2008年の夏の大会より大幅に規模が縮小されました。

式では、大会組織委員会の会長で、北京市トップの蔡奇書記があいさつし、「習近平国家主席と政府の力強い指導のもと、新型コロナの感染の影響を全力で克服し、予定通り開幕することができた」と述べ、開催を主導してきた習主席のリーダーシップをたたえました。

そして、習主席が開幕を宣言し、17日間の日程が始まりました。
このあと、聖火リレーの最終ランナーを、いずれもスキー競技に出場する漢族の男性選手とウイグル族の女性選手が務めました。

アメリカなどが、新疆ウイグル自治区などでの人権問題を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を行う中、中国としては、民族の融和を演出するとともに、人権に配慮していることをアピールするねらいもあったとみられます。

国連のグテーレス事務総長がビデオメッセージ

国連のグテーレス事務総長は、北京オリンピックの開幕にあわせてビデオメッセージを寄せ「オリンピック精神には平和や互いへの尊敬、相互理解が含まれています。この精神がオリンピックの枠を超え、参加者や観戦する人すべてに私たちが人類という同じ家族に属するということを思い起こさせてくれることを切に願います。平和や人権、そしてすべての人の健康的な生活と幸福のために私たちが力を合わせれば、成し遂げられることは無限にあります」と述べました。

ウクライナ選手「強い気持ちを持ち続ける」

北京オリンピックのボブスレー競技に出場するウクライナ代表の選手は、隣国ロシアとの間で軍事的な緊張が続く中、母国のためにメダル獲得を目指すと決意を口にしました。

ボブスレー女子のウクライナ代表として初めてオリンピックに出場するリディア・フンコ選手は、大会の開幕前にロイター通信の取材に応じ、ウクライナの国境周辺でロシアが軍の部隊を展開し、緊張が続いている現状について「私たちの国のことはいつも心配している。家族、友人がいるので、この状況を無視することはできないし、心理的な影響はある。それでも私たちは強い気持ちを持ち続ける」と話しました。

また、大会中の、ロシアオリンピック委員会の選手たちとの接し方について尋ねられると「私たちは特に親しいという訳ではないしやり取りは自分のチームとしている。ロシアから参加する選手たちと接することはないだろう」と、距離を置く考えを示しました。

その上で「私たちは最高の結果を残すためにオリンピックに来た。争いごとには関わらない。ウクライナにとって重要なのはメダルだ」と話し、今大会での活躍を誓っていました。

海外メディア反応

北京オリンピックの開幕について海外メディアは14年前の夏の大会と比べた中国の変化などに焦点を当てて伝えています。

ロイター通信は、感染対策のため一般向けのチケットが販売されなくなったことや、開会式の直前に中ロ首脳会談が行われたことにも触れ、「前回より大会のスケールは小さいが、中国は習近平体制のもとでより繁栄し、強く、自信をつけ、挑戦的になった」と伝えています。

またAP通信は、アメリカなどが人権問題を理由に「外交的ボイコット」を行ったことに関連付けて、「中国に、より開かれた国になってほしいという、前回大会で抱かれた願いは色あせた。オリンピックは、中国にとっては世界的なプレーヤーとしての地位や力を確認する場であるが、中国の外側にいる多くの者、特に西側にとっては、中国の抑圧的な政策を確認する機会となった」と指摘しました。

一方、前回の大会と比べた開会式の内容についてオーストラリアの公共放送ABCの電子版は、AI=人工知能などの先端技術を使った演出を紹介した上で「台頭する中国の強大な力は強調されなくなり、どうしたらオリンピックは人々を1つにまとめられるかという、より融和的な雰囲気に取って代わられた」と伝えました。