北京オリンピック開会式 あなたはどう見ましたか?

北京オリンピック開会式 あなたはどう見ましたか?
冬の北京オリンピックの開会式が4日行われました。4年に1度の冬の祭典のセレモニー、あなたはどんな印象を受けましたか?

この記事の内容
▽SNSの反応は
▽“オリンピックお兄さん”も注目
▽「外交的ボイコット」の影響は
▽見えた中国の戦略

(ネットワーク報道部記者・松本裕樹、鈴木彩里)

チャン・イーモウ監督の世界観に注目集まる

開会式の演出の総監督を務めたのは中国を代表する映画監督のチャン・イーモウさん。カンヌやベルリン、ベネチアの映画祭で、グランプリを含む多くの賞を受賞した監督は会場のスタジアムに透明な氷を模した1万1600平方メートルのLEDスクリーンを敷いて幻想的な映像を次々と映し出しました。
ツイッターより
「ただただすばらしかったです」
「金かけているし、CGもきれい。映画監督が総合演出していて統一感がとれている。冬季らしい落ち着いた演出」
「映画監督らしい演出って感じ。夏のお祭り感もあれもあれでよかったんだけど。スタジアムクラスのショーの演出にたけている人が欲しかった」

入場行進での注目は

国と地域の選手たちの入場行進では南太平洋のアメリカ領サモアのネイサン・クランプトン選手が上半身裸で旗手を務めました。
「サモアの人、むちゃくちゃ寒そう」
また以前、リオデジャネイロ、ピョンチャン、東京と3大会連続で上半身裸に民族衣装という格好で入場行進した同じ南太平洋のトンガのピタ・タウファトフア選手は「留守を守ってくれた」と発信しました。

聖火のトーチ設置には驚きの声

聖火をともしたトーチが出場する国や地域のプラカードを使って作られた巨大な雪の結晶に設置する演出にはSNS上で驚きの声が上がりました。
「やっぱりあの雪の結晶が聖火台!?」
「最後の聖火は点火ではなくてトーチを差し込んだのね。こういうのは初めてではないかしら」
「プラカード素敵だと思ってたけど、聖火の台座となるなんて一層素敵だった」

“オリンピックお兄さん”が見た開会式

滝島一統さん(45)は夏と冬のオリンピックの競技会場を2006年のトリノ大会から去年の東京大会まで7大会連続で訪れ、自身を「オリンピックお兄さん」と称しています。滝島さんも開会式の中で聖火の演出が一番、印象に残ったといいます。
滝島さん
聖火台に驚きました。聖火をともすんじゃなくて聖火をくっつけるっていうのが新しかったです。聖火台が最初のほうからパーツとして登場していたのがすごい。最後に飛んだのもどうやって飛んでるんだろうって。気になるところが多くて、種明かしをしてほしいですね。ワクワク感と話題が尽きない開会式でした。
都内で不動産業を営む滝島さんは20代の時にフィギュアスケートをきっかけに競技会場でスポーツを観戦する楽しさを知りました。今回もチケットが手に入れば開会式を含めて現地に行く予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で一般向けのチケット販売が行われなかったため断念しました。2008年の夏の北京オリンピックで開会式の会場となったスタジアムを何度も訪れた滝島さん。当時の様子を思い出しながらテレビの中継を見つめました。
滝島さん
会場の“鳥の巣”は2008年に熱狂した場所なので、テレビで見ていても胸が熱くなりました。それと同じくらい、自分がそこにいないことが残念で悔しいです。
過去の開会式の思い出を聞くと。
滝島さん
ピョンチャン大会の開会式は本当にすごく寒かったです。4年前のことですが、寒いとしか覚えていません。最後にキム・ヨナさんがフィギュアスケートの衣装で聖火をともしたことだけは覚えています。それも『寒そうだなぁ』ということで。室内でぬくぬくして開会式を見るのもいいかと思いました。

「外交的ボイコット」の影響は

今回の開会式はアメリカなどが新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を行う中での開催となりました。
オリンピックと政治をテーマにした著者があり、外交問題に詳しい慶応大学名誉教授の池井優さんは開会式について「外交的ボイコット」による影響は限定的だったとみています。
慶応大学名誉教授 池井優さん
オリンピックが政治・外交の道具として使われた最大の例は1980年の夏のモスクワ大会と考えます。アメリカの呼びかけで日本や西ドイツなど多くの西側国家がボイコットしました。それと比べて今大会は選手団が派遣されているほか、新型コロナの世界的な感染拡大もあり各国の首脳が現地入りしない理由も示しやすかったと思います。
そのうえで開会式では中国がアメリカなどを刺激しないよう配慮をみせる演出が随所で見られたといいます。
池井名誉教授
会場では台湾選手団の入場行進の際、『中華台北』と紹介して妥協する形を見せていました。演出面ではジョン・レノンさんの代表曲「イマジン」を使うなど、オリンピックは愛と平和の祭典であるというメッセージを強調しているように感じました。

見えた中国の戦略

また多文化社会論が専門の青山学院大学の飯笹佐代子教授は2008年の夏の北京オリンピックと比較して国威発揚につながるような明らかな演出は一見、抑えられていたと指摘しています。
青山学院大学 飯笹佐代子教授
2008年の大会と同じ映画監督のチャン・イーモウさんの演出でしたが、幻想的な映像と子どもを多用した演出でグローバルな発信に努めている印象を受けました。また式典自体はコンパクトにまとまっていました。
一方で、聖火リレーの最終走者をいずれもスキー競技に出場する漢族の男性選手とウイグル族の女性選手が務めたことについて中国側の強いメッセージを感じたといいます。
飯笹教授
洗練されたセレモニーの最後にウイグル族の選手を聖火ランナーに据えることで世界各国からの批判を払拭し、民族の共生を掲げる狙いがあったと思います。中国のしたたかな戦略がかいま見えた象徴的な場面と感じました。

これから競技が本格化!選手の奮闘に期待

北京オリンピックは今月20日まで17日間にわたって7競技、史上最多となる109の種目が行われます。コロナ禍での開催となりますが、開会式を終え、熱戦に期待する声が聞かれました。
ツイッターより
「出場される選手の皆様!安全第一で熱い試合を楽しみにしています」
「スポーツ観戦すきすきなのでこれから楽しみ」
「土日はずっと見れるけど、平日は仕事で見られないのが残念」
先ほど登場の“オリンピックお兄さん”も。
滝島さん
現地に行けない悔しさはこの開会式かぎりで考えるのやめます。ここからは応援モードになって選手にエールを送りたい。