「ネタバレサイト」運営会社など書類送検へ 著作権法違反疑い

漫画のセリフなどを丸写しする、いわゆる「ネタバレサイト」をめぐり、警察が東京 渋谷区にあるサイト運営会社と経営者を近く、著作権法違反の疑いで書類送検する方針を固めたことが捜査関係者への取材で分かりました。ネタバレサイトはサイトの開設やアクセス数が増え、出版業界が著作権を侵害するとして警戒を強めています。

大手出版社、小学館のアプリで掲載されている漫画「ケンガンオメガ」はネタバレサイトにセリフなどが無断で掲載され、去年3月、東京地方裁判所は著作権侵害に当たると判断し、サーバーの管理会社に発信者情報の開示を命じました。

出版社側から被害の相談を受けた福岡県警察本部が捜査を進めた結果、東京 渋谷区のサイト運営会社の40代の経営者が、この漫画の数話分のほぼすべてのセリフや、ストーリーを説明した文章を無断で掲載した疑いがあることが、押収した資料などから分かったということです。

警察は著作権法違反に当たるとして近く、会社と経営者を書類送検する方針を固めました。

捜査関係者によりますと、これまでの任意の調べに対して経営者は「悪いことだと知っていた」などと容疑を認めているということです。

ネタバレサイトはサイトの開設やアクセス数が増え、出版業界が著作権を侵害するとして監視や警察への相談を進めています。

被害を受けた小学館 300以上の「ネタバレサイト」確認

今回被害を受けた小学館は、これまでに300以上の「ネタバレサイト」を確認したということで、削除要請や警察への相談などを進めています。

小学館によりますと、セリフなどの文字の書きおこしに着目して摘発された例はこれまでにないということです。

被害にあった作品を連載する小学館のマンガアプリ、マンガワン編集部の和田裕樹編集長は「著作権侵害になっていると気付かず、ネタバレサイトによってアクセスが集まると思うサイトの運営者が増えているのが現状だ」と話しています。
ネタバレサイトはアクセスに応じて広告収入を得ているとみられ、和田編集長は、「ネタバレサイトに読者をとられると、漫画家の収益が減ってしまう一方で、赤の他人がお金もうけをすることになる。漫画家は作品を作るのに頭を使い時間をかけており、一生懸命作ったものを泥棒されているような気持ちになる。こうしたサイトには、法的な措置を含めて対応していきたい」と話しています。

出版業界 著作権侵害の新たな違法サイトとして危機感

出版業界は、増加する「ネタバレサイト」に対し、著作権を侵害する新たな違法サイトだとして、危機感を強めています。

インターネット上での著作権侵害をめぐっては、漫画をそのまま掲載する「海賊版サイト」が問題となり、かつて最大規模だった「漫画村」の運営者は去年、懲役3年の実刑判決が確定しています。

さらに海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」も社会問題化し、おととしの法律の改正で規制の対象となったことを受けて警察が摘発する事例が出ています。

著作権の問題に詳しい中島博之弁護士によりますと、海賊版サイトやリーチサイトへの法規制や取締りが強化され、違法だという認識が広がっている一方、文字の書きおこしを掲載する「ネタバレサイト」が著作権を侵害するという意識は低く、悪質なサイトがあとを絶たないということです。

中島弁護士は、「感想を書くために漫画の内容を部分的に触れるのは問題ないと考えられるが、内容すべてを文字にする場合は法的な問題になるケースがある。手軽にできてしまうからこそ一般の人も手を出しやすい。権利侵害に問われる可能性があることを多くの人に知ってもらいたい」と話しています。

以前にサイト運営していた男性「最初は軽い気持ち」

以前、ネタバレサイトを運営していた30代の男性がNHKの取材に応じました。

男性は、「ストーリーの展開やセリフを文章に直して公表していた。画像をそのまま転載するのは良くないという認識があったので、この程度なら許されるんじゃないかという素人考えでやってしまった」と話していました。

男性は広告収入が得られるのではないかと思ってネタバレサイトを始めましたが、出版社の指摘を受けてサイトを閉鎖したということで、「最初は軽い気持ちではじめたが、出版社側から連絡があってからは、重大なことだと認識した。今は強く反省している」と話していました。