東京の大規模接種 来週から一日5000回程度まで増やす方針 首相

国会では2日、衆議院予算委員会で集中審議が行われ、岸田総理大臣は新型コロナワクチンの3回目接種を加速させるため、自衛隊による大規模接種について、東京会場の接種体制を拡大し、来週から一日当たりの接種枠を5000回程度にまで増やす方針を明らかにしました。

自民 西村前経済再生相

自民党の西村前経済再生担当大臣は、自衛隊による大規模接種について「初回の予約は9分、来週の予約も15分で完了した。3回目の接種を早急に進めることが大事な中で、自衛隊の大規模接種会場の接種規模を少しでも早く、一日でも早く拡大すべきであり、その決意を示してほしい」と質問しました。

これに対して、岸田総理大臣は「自衛隊による大規模接種の取り組みは、政府の強い姿勢を示す意味からも大変重要だ。東京会場での接種能力を早急に拡大するべく、昨年と同様のペースで接種を進めるため、来週には一日当たりの接種回数を5000回程度まで拡大したい」と述べました。

立民 長妻元厚生労働相

立憲民主党の長妻元厚生労働大臣は、緊急事態宣言について「東京都内ではコロナ病床が満床の病院も出てきた。全国でも入院は必要ないとされたものの、その後、自宅で亡くなる方も高齢者中心に今、広がっている。総理は繰り返し、現時点で宣言を検討していないと言うが、従来ならすでに出している局面だ。なぜ検討すらしないのか」とただしました。

これに対して、岸田総理大臣は「病床の使用率に加え、34都道府県で行っている『まん延防止等重点措置』の効果などもしっかり確認したうえで、考えていかなければならない。今の時点では、緊急事態宣言は検討していないが、引き続き、警戒感、危機感はしっかり共有しながら状況を見つめていきたい」と述べました。

緊急事態宣言の今後の在り方について

また岸田総理大臣は「緊急事態宣言」の今後の在り方について「将来に向けても、感染症などとの闘いが生じることも想定しなければならず、ことし6月末までには司令塔機能や感染拡大防止のありようなど中長期的な観点からもしっかり議論していかなければいけない。その中でも緊急事態宣言の在り方は重要な論点になる」と述べました。

外国人の新規入国 原則停止の措置など

一方、岸田総理大臣はオミクロン株の水際対策として、今月末まで継続している外国人の新規入国を原則停止している措置などについて「少しずつオミクロン株の知見も蓄積されてきている。今後は国内外の感染状況をまず、しっかり見ながら、オミクロン株の特性、これまでの水際対策の実績などを踏まえ、必要かつ適切な対応を行っていきたい」と述べました。

松野官房長官「接種能力拡大 防衛省で検討中」

松野官房長官は、午前の記者会見で「自衛隊による東京の大規模接種会場での接種能力は、今月8日から一日当たりの接種能力を2160回からおよそ4000回へ、今月10日からは一日当たりの接種能力をおよそ5000回へ拡大できるよう、防衛省で検討中だ」と述べました。

そのうえで「接種のためのスペースや医療従事者の確保については、現在使用している大手町合同庁舎3号館の1階に加えて上層階を活用することや、自衛隊の医官のほか、自衛隊や民間の看護師のさらなる活用により対応することを検討している」と述べました。