救急患者の搬送困難事例 1週間で全国5300件余 3週連続過去最多

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は5300件余りと3週連続で過去最多となっています。

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

30日までの1週間では5303件で、過去最多となった前の週の4950件からさらに増加しました。

地域別には
▽東京都が2668件
▽大阪市が527件
▽横浜市が297件
▽さいたま市が206件
▽千葉市が191件
▽札幌市が187件
▽福岡市が111件
などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる、おととしの同じ時期に比べると
▽福岡市が11.33倍
▽さいたま市が6.63倍
▽横浜市が5.91倍
▽東京都が4.84倍
▽札幌市が3.45倍
▽大阪市が2.71倍
▽千葉市が1.58倍
などと大幅に増えています。

5303件のうち新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは1833件と、前の週から400件以上の増加がみられます。

また、新型コロナウイルスの感染の疑いのないケースも3470件と前の週と同様に多く、全体の65%を占めています。

総務省消防庁は「新型コロナの感染が疑われるケースも増えてきており、今後の動きを注視している。データを関係省庁と共有し、搬送困難事例の減少に向け連携して取り組んでいく」と話しています。