自衛隊によるワクチン大規模接種始まる 岸田首相が会場視察

新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続く中、3回目の接種を希望する人を対象にした自衛隊によるワクチンの大規模接種が、31日から東京の会場で始まりました。

自衛隊による大規模接種は東京と大阪で行われることになっていて、東京では大手町の合同庁舎を会場に31日午前8時から接種が始まりました。

31日から来月5日までの6日間のおよそ4300人分の接種枠は予約の受け付け開始から9分ほどで埋まっていて、訪れた人は予診票の確認などを済ませ、医師の資格を持つ自衛隊員の問診を受けたあと、接種のためのブースに入りました。

そして、名前や、体調に問題がないことを看護師に伝え、接種を受けていました。

接種を受けた東京 調布市の44歳の男性は、「子どもが通う小学校でも感染者が増えていて、登下校に付き添っているので不安を感じています。自治体の接種は自分たちの年代はまだ対象になっておらず、なるべく早く受けたいと思って予約しました」と話していました。
自衛隊の大規模接種ではモデルナのワクチンが使われ、接種の対象になるのは▽18歳以上で、▽3回目の接種券を持っていて、▽2回目の接種から6か月以上が経過している人です。

東京の会場では来月7日からは、一日当たりの接種枠が2160人分に増えることになっていて、来月13日までの1週間分の予約は、31日午後6時から専用のウェブサイトなどで受け付けられます。

一方、大阪では、大阪 中央区の「八木ビル」を会場に来月7日から一日当たり960人に接種を開始する予定で、予約は来月4日から受け付けられます。

防衛省は、電話はつながりにくくなることが予想されるとして、ウェブサイトからの予約を呼びかけています。

岸田首相 会場視察「スピード優先で3回目接種をお願いしたい」

岸田総理大臣は31日午前、大手町の会場を訪れ、自衛隊の看護官が60代の男性にワクチンを接種する様子を視察しました。

そして、医官や看護官らから要望や課題などを聴き取りました。
岸田総理大臣は、視察したあと記者団に対し「医官らは去年の接種にも関わった方がほとんどで、前回の経験などを聞かせていただいた。今回も円滑で、効率的な運営を心がけていただきたい。いろいろな工夫も必要になってくると思うが、課題にしっかり立ち向かっていただけることを強く期待している」と述べました。
また、「現時点では、全国の97%の自治体が2月末までに対象となる希望される高齢者の方々への接種を予定どおり完了する見込みとなっている。今後ペースアップしていくと考えている」と述べました。

そのうえで「高齢者以外の一般の方々についても、予約枠に空きがあれば、6か月の間隔が空けば順次できるだけ多くさらに前倒しを行っていくよう改めて自治体に要請する。自治体にも協力をいただき接種体制をさらに強化する」と説明しました。

そして「実際に接種していただくことが大事であり、3回目の接種の必要性、交互接種の有効性、安全性について、国民一人一人に丁寧にお知らせしていきたい。接種券が届いたならばスピードを優先で3回接種をお願いしたい」と呼びかけました。

松野官房長官「自治体後押し ペースアップしていく」

松野官房長官は午前の記者会見で「3回目接種はこれから本格化していくが、さらなるペースアップに向けて自治体に対し、大規模接種会場の設置や接種券の前倒しでの送付などの取り組みを進めるよう要請している。政府としても、自衛隊による大規模接種会場を設置することで自治体の取り組みを後押ししていく考えだ。引き続き自治体と緊密に連携し、3回目接種の着実な実施に万全を期していきたい」と述べました。

また、「現時点で全国の97%の自治体が、2月末までに対象となる高齢者のうち、希望する人への接種を予定どおり完了する見込みであり、今後、接種がペースアップしていく」と述べました。

そのうえで「実際に接種してもらうことが何よりも大事であり、3回目接種の必要性や『交互接種』の有効性、安全性などについて、さまざまな媒体を活用しながら国民一人一人に丁寧にお知らせしたい」と述べました。

大阪会場でも来月7日から大規模接種 準備開始

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を加速させるための自衛隊による大規模接種が大阪で来月7日から始まるのを前に、接種や運営を担う自衛隊員が集まり、会場の準備を始めました。

自衛隊による大規模接種は東京と大阪で行われることになっていて、大阪では来月7日から大阪・中央区の「八木ビル」を会場に接種が始まります。

31日は接種や運営を担う自衛隊員およそ80人が集まり、会場の設営やワクチンの搬入に向けた準備の開始式が行われました。

大規模接種ではモデルナのワクチンが使われ、▽18歳以上で▽3回目の接種券を持っていて▽2回目の接種から6か月以上が経過している人が対象となり、大阪の会場では一日当たり960人分の接種枠が設けられる見込みです。

自衛隊の大阪会場の平山健一運営担任官は「前回の大規模接種の教訓を生かし、受け付けから接種までスムーズに効率よく進めていきたい」などと話していました。