岸田首相 濃厚接触者の待機期間 10日間から7日間に短縮

新型コロナウイルスのオミクロン株対策として濃厚接触者に求めている待機期間について、岸田総理大臣は社会経済活動を維持するため、今の10日間から7日間に短縮することを明らかにしました。
また検査で陰性であれば最短で6日目に解除できる、いわゆる「エッセンシャルワーカー」の待機期間についても、5日目に解除できるようにする方針です。

オミクロン株の急速な感染拡大を受けて、医療現場や経済界などからは、社会機能を維持するため、濃厚接触者に求めている自宅などでの待機期間を短縮するよう求める声があがっていて、岸田総理大臣は、午後5時前から、総理大臣官邸で、後藤厚生労働大臣らと対応を協議しました。

このあと岸田総理大臣は、記者団に対し「感染者数の拡大が継続する中、 感染拡大を防止する一方で、できるだけ社会経済活動を維持していくという、この2つのバランスをとっていく必要がある」と述べ、専門家の意見や新たに判明した科学的根拠などを踏まえ、濃厚接触者の待機期間を、今の10日間から7日間に短縮することを明らかにしました。

また、検査で陰性であれば最短で6日目に解除できるいわゆる「エッセンシャルワーカー」の待機期間についても5日目に解除できるようにする方針です。

厚労相「エッセンシャルワーカー 4日目と5日目陰性で解除」

濃厚接触者に求める待機期間の短縮について、後藤厚生労働大臣は28日夜、記者団に対し、いわゆる「エッセンシャルワーカー」は、感染者に最後に接触した日から4日目と5日目に受ける抗原定性検査で連続して陰性であれば、待機を解除できると説明しました。

そのうえで「医療現場やいわゆる『エッセンシャルワーカー』が回らなくなるということで、許容するリスクをどう評価するかも1つの判断基準になった。今後、市中の感染状況や発症リスクの評価などの科学的知見に基づき、専門家の意見も伺いながら、社会経済活動を維持する観点からさらに見直していきたい」と述べました。

一方、後藤大臣は、症状がない患者の療養期間について、現在、検体を採取してから10日間となっているのを7日間に短縮することも明らかにしました。

なぜ10日間から7日間に短縮されたのか

今回の待機期間の短縮について、厚生労働省は「社会経済活動を維持してくための措置だ」などとしています。

国立感染症研究所の分析では、オミクロン株の感染者に最後に接触した日から7日間が経過した時点でも、発症するリスクが5%程度残るとされていますが、専門家の意見を踏まえ、10日目まで自分で検温などをして健康状態を確認してもらうことで許容できるリスクに抑えられるとしています。

また、いわゆるエッセンシャルワーカーについても、4日目と5日目に続けて検査で陰性となれば、検査をせずに7日間待機した場合と同じ程度に発症リスクを下げられると説明しました。

この際、使用するのは抗原定性検査キットで、PCR検査などは結果が出るまでに時間がかかる上短期間に供給量を増やすことができず、症状のある人への行政検査に優先して配分する必要があるとしています。

待機が解除されたあとも10日間が経過するまでは、高齢者など重症化リスクのある人たちがいる場所に行かないことなどを求めていますが、介護施設の職員などは感染対策をとっていれば業務に従事できるとしています。