新型コロナ 感染者数過去最多 1週間平均の新規感染状況 前週比

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、感染者数が過去最多となる中で、沖縄県を除いて、すべての都道府県で感染の急拡大が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、
▽12月30日までの1週間では、前の週に比べて1.60倍
▽1月6日まででは4.86倍
▽1月13日は6.68倍と、
急激なペースで増加しました。

そして、
▽1月20日は3.20倍
▽1月27日まででは1.93倍と、
増加のペースはやや下がったものの、一日当たりの新規感染者数はおよそ58767人で、感染者数が過去最多となる中でも、感染の拡大が続いています。

感染者数は、先に感染が拡大した沖縄県を除く、すべての都道府県で増加しています。

新たに27日から“まん延防止”適用の地域

1月27日から、まん延防止等重点措置が適用された地域のうち、

【大阪府】
▽1月13日までの1週間は前の週の6.67倍
▽1月20日は3.92倍
▽1月27日まででは1.74倍
と、増加が続いています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ7540人と、これまでで最も多く、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、全国で最も多い599.18人となっています。

【京都府】
▽1月13日までの1週間は前の週の5.64倍
▽1月20日は3.56倍
▽1月27日まででは1.75倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1582人となっています。

【兵庫県】
▽1月13日までの1週間は前の週の9.86倍
▽1月20日は4.73倍
▽1月27日まででは2.06倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3163人となっています。

【北海道】
▽1月13日までの1週間は前の週の5.35倍
▽1月20日は5.32倍
▽1月27日まででは2.23倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1845人となっています。

【福岡県】
▽1月13日までの1週間は前の週の11.14倍
▽1月20日は4.86倍
▽1月27日まででは2.13倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3014人となっています。

21日に“まん延防止”適用の地域

1月21日にまん延防止等重点措置が適用された地域でも、感染の急拡大が続いています。

【東京都】
▽1月13日までの1週間は前の週の6.90倍
▽1月20日は3.58倍
▽1月27日まででは2.18倍と、
急増が続いています。

一日当たりの新規感染者数は11762人と、初めて1万人を超えて過去最多となり、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は591.44人と、大阪府に次いで多くなっています。

【神奈川県】
▽1月13日までの1週間は前の週の8.47倍
▽1月20日は4.17倍
▽1月27日まででは2.21倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ4395人となっています。

【埼玉県は】
▽1月13日までの1週間は前の週の8.87倍
▽1月20日は3.80倍
▽1月27日まででは1.97倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3102人となっています。

【千葉県】
▽1月13日までの1週間は前の週の7.86倍
▽1月20日は3.83倍
▽1月27日まででは2.22倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ2761人となっています。

【愛知県】
▽1月13日までの1週間は前の週の9.73倍
▽1月20日は4.12倍
▽1月27日まででは1.98倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3733人となっています。

【岐阜県】
▽1月13日までの1週間は前の週の6.77倍
▽1月20日は3.53倍
▽1月27日まででは2.00倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ614人となっています。

【三重県】
▽1月13日までの1週間は前の週の27.31倍
▽1月20日は3.84倍
▽1月27日まででは1.81倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ435人となっています。

9日から“まん延防止”適用の地域

1月9日からまん延防止等重点措置が適用されている地域のうち、

【沖縄県】
▽1月13日までの1週間は前の週の4.62倍と、急激な拡大が続いていましたが、
▽1月20日は0.96倍
▽1月27日まででは0.82倍と、減少傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1092人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、全国で3番目となる526.29人となっています。

【広島県】
▽1月13日までの1週間は前の週の6.53倍
▽1月20日は1.85倍
▽1月27日まででは1.19倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1357人となっています。

【山口県】
▽1月13日までの1週間は前の週の2.39倍
▽1月20日は1.61倍
▽1月27日まででは1.40倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ363人となっています。

その他の地域

まん延防止等重点措置の対象となっている、このほかの県でも増加が続いています。

1月27日までの1週間では、前の週に比べて、
▽青森県は1.51倍
▽山形県は2.77倍
▽福島県は3.13倍
▽茨城県は2.23倍
▽栃木県は1.91倍
▽群馬県は2.12倍
▽新潟県は1.59倍
▽石川県は2.91倍
▽長野県は1.75倍
▽静岡県は1.97倍
▽岡山県は2.06倍
▽島根県は1.15倍
▽香川県は2.34倍
▽佐賀県は1.77倍
▽長崎県は1.92倍
▽熊本県は1.60倍
▽大分県は1.88倍
▽宮崎県は2.04倍
▽鹿児島県は2.18倍
となっています。

政府分科会 舘田教授 “少しずつ減少もピーク見えず”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「全国的に見ると増加のスピードは少しずつ減少しているが、一日当たりの感染者数は過去最多を更新する状況が続いていて、まだピークが見えず、しばらくは増加する状況が見えている。来月初めから中旬にかけて減少するかどうか注意して見ていく必要がある」と話しています。

また、今後の見通しについて「沖縄ではピークを越えたように見えるが、その後、急激に下がっている状況は見えていないことを考えると、全国でも同じような推移で急激に下がっていくことは難しいということを考えておかなければいけないと思う。沖縄では、感染が若い人たちから高齢者にも広がりつつあり、特に高齢者施設などに広がってしまうと、ワクチンを打っている人でも感染し、一定の割合で重症化することが見えてきている。全国でも入院者数、重症者数も増えていくことを考えておかなければいけない」と指摘しました。

さらに、感染者や濃厚接触者となって、出勤できなくなっている人が多くなっていることについて、舘田教授は「医療現場のひっ迫や、さらには社会への負荷の増大につながってしまっているので、負荷をいかに減らしていくか考えておかなければいけない。濃厚接触者を、いかに安全に早い段階で社会に戻すことができるか、濃厚接触者の待機期間をどのように縮めるかを早急に考える必要がある。また、軽い症状の人は、医療機関を受診せずに自宅療養とするなど、保健所や医療機関に過剰な負荷がかからないような対応を考える時期にきていると思う」と話しています。