埼玉立てこもり 殺人未遂の疑いで男を逮捕 人質保護も心肺停止

27日夜9時ごろ、埼玉県ふじみ野市の住宅で猟銃のようなものを持った男が44歳の医師を人質にとって立てこもった事件で警察は発生から11時間がたった午前8時ごろ、容疑者の身柄を確保し殺人未遂の疑いで逮捕しました。人質となっていた医師は心肺停止の状態だということです。

警察によりますと27日夜9時ごろ、埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の住宅で猟銃のようなものを持った男が人質をとって立てこもりました。

警察は説得を続けましたが、発生からおよそ11時間がたった午前8時ごろ住宅に突入し、この家に住む渡邊宏容疑者(66)の身柄を確保し、人質の男性に対する殺人未遂の疑いで緊急逮捕しました。

人質となっていた44歳の医師は心肺停止の状態で近くの病院に搬送されたということです。

捜査関係者によりますとこの住宅には、渡邊容疑者の家族が亡くなったため昨夜、医師と看護師、介護士の男性3人を含む関係者が弔問のために訪れていたということですが、このうち家族の主治医で、44歳の医師が人質になったということです。

医師のほか40代の男性看護師は撃たれて重傷だということですが意識はあり、病院で手当てを受けているということです。

さらに、30代の男性介護士は顔に催涙スプレーをかけられ、目にケガをしてその後、警察署に駆け込んだということです。

警察は渡邊容疑者の身柄を警察署に移し、いきさつを調べています。

現場は東武東上線のふじみ野駅から南西におよそ2キロ余り離れた田畑が点在する住宅街で、東側に関越自動車道が通り、すぐそばに小学校があります。

男が確保されるまで現場では…

現場の住宅近くには、27日夜から警察や消防などの車両が数多く待機し、盾などを持った警察官たちが警戒にあたっていました。
その後、目立った動きはなくこう着した状態が続いていましたが、通報から10時間以上たった午前8時前、警察官たちが住宅に入りました。
男は待機していた警察車両に乗せられ、午前8時すぎに移送されましたが、姿はシートに覆われて確認することはできませんでした。
また、人質になった医師を乗せたと見られる救急車は、午前8時25分ごろ現場を離れました。

住宅の向かいに住むという男性「淡々とした普通の人」

事件の起きた住宅の向かいに住むという40代の男性は、「住宅に住む男性は2年前くらいに引っ越してきた。町内会費の集金などでしか会わなかったが、淡々とした普通の人だったのでこんな事件を起こしたと聞いて怖いと思うしびっくりだ。近所づきあいはあまりなかった」と話していました。

避難していた住民からは安どの声

男の身柄が確保されたことについて、避難所で一夜を過ごした住民からは安どの声が聞かれました。

30代の介護ヘルパーの男性は「知人から連絡がきて確保の情報を知った。避難所の中で誰かの『確保』という声があがり、周りからはほっとした声が聞かれた。長い時間ここにいたので非常に疲れた。きょうの仕事については職場と相談します」と話していました。
男の身柄が確保されたあと、午前8時半前ごろに「帰宅してよい」との防災無線によるアナウンスが流れると、避難所となった中学校からは住民たちは次々に帰宅していきました。

夫婦で避難していた70代の男性は「避難所では一つの教室で30人くらいで過ごしていましたが、混乱や不調を訴える人はいなかった。ふだん静かな場所なのにこんなことが起きるとは。確保されて安心しましたがとても疲れた」と話していました。

また、70代の女性は「まさか近所でこんな事件が起きるとは思わなかったです。とにかく避難所で確保の情報が入った時に、ほっとしました。避難していたみんなも安どしてました」と話していました。

家族で避難していた50代の女性は「とりあえず、安心しました。午前2時くらいに避難してそこから教室でいすに座ってじっと待っていたので疲れました。子どもたちが避難所に飽きたと不満を言っていたので、外に出られたのは子どもにとってもよかったです」と話していました。

現場周辺の小中学校合わせて3校が休校

警察によりますと事件を受けて、ふじみ野市の現場周辺の小学校2校と中学校1校の合わせて3校が、子どもたちの安全を確保するため28日は休校にするということです。

休校を決めたのは、▽西原小学校、▽三角小学校、▽大井西中学校の3校です。