“猟銃”持った男が医師を人質にとり立てこもる 埼玉 ふじみ野

27日夜9時ごろ、埼玉県ふじみ野市の住宅で猟銃のようなものを持った男が44歳の医師を人質にとって立てこもりました。
立てこもっているのはこの住宅に住む男とみられ、人質となっている医師がけがをしているという情報もあり、警察は男の説得を続けています。

警察によりますと27日夜9時ごろ、埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の住宅で猟銃のようなものを持った男が人質をとって立てこもりました。
警察によりますと、立てこもっているのは50代から70代くらいのこの住宅に住む男とみられるということです。

捜査関係者によりますとこの住宅には男の家族が亡くなったため27日夜、医師と看護師、介護士の男性3人を含む関係者が弔問のために訪れていたということですが、このうち男の家族の主治医で44歳の医師が人質になっているということです。
警察や消防によりますと医師はケガをしているという情報もあるということですが、けがの程度などは分かっていないということです。

警察によりますと住宅の固定電話で男とみられる人物とやり取りができていて、医師の状態については「大丈夫」などと話しているということです。
ただ、警察は医師とは直接やり取りできていないということです。

また、40代の男性看護師は撃たれて重傷だということですが意識はあり病院で手当てを受けているということです。
さらに、30代の男性介護士は顔に催涙スプレーをかけられ、目にけがをしてその後、警察署に駆け込んだということです。
警察は男の説得を続けるとともに詳しい状況を調べています。

現場は東武東上線のふじみ野駅から南西におよそ2キロ余り離れた田畑が点在する住宅街で、東側に関越自動車道がとおり、すぐそばに小学校があります。

中学校に避難所を開設 住民100人近くが避難

避難所となっている現場から北西に750メートルほど離れた大井西中学校には、28日午前0時半前ころ、住民が次々に避難してきて、その数は100人近くにのぼると見られます。

避難した人の話によると学校の中で避難した人たちは各教室にわかれていすに座るなどして過ごしているということです。

避難してきた女性「パンと1発乾いた音を聞いた」

避難してきた現場近くに住む50代の女性は「警察官が家に来る30分前くらいにパンと1発乾いた音を聞いた。銃声とは思わなかった。それから避難してくれと言われたので来ました。とても怖いです」と話していました。

現場の住宅から数十メートル離れた自宅から家族5人で避難してきたという19歳の大学生の男性は「自宅で家族で話しをしていたらバンという響くような音が聞こえてきて、はじめはタイヤがパンクしたのかと思いました。それから警察官に誘導されていったん自宅近くの小学校に避難しましたが、現場が近いということでこの中学校に移動することになりました。早く解決してほしいです」と話していました。

避難している住民 “仕事への影響が出る”

大井西中学校で一夜を過ごした住民からは、自宅に戻ることができず出勤の準備ができないため、仕事への影響が出るという声があがっています。

介護ヘルパーをしているという30代の男性は「避難所の部屋では、配られたペットボトルの水や保存食のパンを食べたり、毛布にくるまって横になったりしていますが、朝方に近づくにつれ、周りの人たちも仕事のことを心配をしている様子でした。私もふだんは午前7時ごろには出勤しますが、今のままでは自宅に戻れそうにもないので出勤が難しそうです。本当に迷惑で、とりあえず、同僚に事情を説明してカバーに入ってもらうことにしました」と話していました。

また、同じく一夜を過ごした60代の介護士の男性は「夜が深まるにつれてどんどん人が増えた。教室で横になってもほとんどの人が寝られていないような状況で、周りの人もあきらかに疲労していた。情報が少なく、避難所の外に出ていいのかどうかもわからなかった。出勤できるか悩んでいる人も多かったが『職場に直行するならいい』と言われたので私は準備はできないが、これから職場に向かおうと思っている」と話していました。

現場周辺の3校 28日は休校に

警察によりますと事件を受けて、ふじみ野市の現場周辺の小学校2校と中学校1校の合わせて3校が、子どもたちの安全を確保するため28日は休校にするということです。

休校を決めたのは、西原小学校、三角小学校、大井西中学校の3校です。

相次ぐ 人質をとって立てこもる事件

人質をとって立てこもる事件は過去にも相次いでいます。

今月8日には東京 渋谷区の焼き肉店で男が店長を人質にとって立てこもる事件があり、およそ3時間後に28歳の容疑者が監禁の疑いで警視庁に逮捕されました。
容疑者は先月、長崎県から上京して路上生活をしていたということで、調べに対し「生きる意味を見いだせず、警察に捕まって死刑になればいいと考えた」などと供述しているということです。

また、去年6月にはさいたま市のインターネットカフェで男が20代の女性従業員を人質にとり、丸1日以上にわたって立てこもりました。
「室内のものが壊れた」などと声をかけて個室に呼び、カッターナイフを突きつけて監禁したということで、40歳の被告が監禁傷害の罪で起訴されています。

さらに、おととしも福岡市でうなぎ店の元従業員が店主の娘2人を人質にとり、包丁を持っておよそ6時間にわたって店内に立てこもったほか、島根県出雲市で20代の男が運送会社に刃物を持って押し入り、女性従業員を人質にとっておよそ18時間にわたって立てこもる事件が起きています。