感染急拡大 介護施設でのサービス休止広がる 訪問介護で対応も

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、介護現場でも職員が感染したり濃厚接触者になったりしてサービスを休止せざるをえない事態が広がっています。事業者は施設での介護を訪問介護に切り替えるなど高齢者の生活を支える模索を続けています。

新型コロナは介護現場での感染も広がっていて、厚生労働省のまとめによりますと、高齢者福祉施設でのクラスターなどの集団感染の数は今月24日までの1週間で全国で112件に上り過去最多となっています。

介護事業者の団体によりますと、職員が感染したり濃厚接触者になったりしてサービスを休止せざるをえない事態が全国で広がっていて、千葉県八千代市の介護事業者も運営する複数の施設で感染が相次ぎました。

このうちデイサービスなどを提供する施設では、今月半ば、入浴の介助に当たる職員1人が感染して利用者4人が濃厚接触者となり、サービスの休止を余儀なくされました。

しかし、利用者の中には1人暮らしの人や認知症の人も多く、デイサービスでの食事や入浴がないと生活が成り立たなくなる人が少なくありません。

このため施設では急きょ、デイサービスの代わりに職員が利用者12人全員の自宅を一日2回訪問して対応することにしました。

このうち濃厚接触者となった80代の認知症の女性の自宅にも職員が防護服を着て訪問し、体調の確認や持病の薬の服用のサポートをしていました。

この施設は25日に再開しましたが、事業者が運営する別の施設でも感染が確認され、休業を余儀なくされています。

事業者は職員や利用者へのPCR検査を行っていますが、結果が出るまでに時間がかかり、感染の広がりを把握するのに苦慮しているということです。

施設を運営する社会福祉法人翠燿会の津川康二常務理事は「近隣の学校や保育所でも感染が多発し、子どもから感染したとみられる職員が相次いでいます。介護サービスは高齢者の暮らしと命に直結するため、止めないよう模索していますが現場への負担は限界に達しています。介護現場への優先的な検査や3回目のワクチンの接種をなるべく早く進めてほしい」と訴えていました。