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ワクチン「未接種者」 子どもも… 感染急拡大で接種どうする?

山梨県が今月23日に「ワクチン未接種者」を対象に出した要請がSNSで賛否両論を巻き起こしました。

ワクチンの2回接種率が8割近くに達する一方で、「打たない」「打てない」「悩んでいる」など「未接種」の事情はさまざまです。

オミクロン株の感染が急拡大し、子どもにも感染が広がる中、接種の判断とどう向き合えばいいのでしょうか。

山梨県はどんな要請をした?

山梨県の要請で、意見が多く集まった部分の抜粋です。
▼山梨県の臨時特別協力要請
(1)ワクチン未接種者の不要不急の外出自粛
ワクチンの2回接種を終えていない方は、ワクチン接種者と比較して感染者の発生率と重症化リスクが高く、医療提供体制への影響が大きいことから、通勤、通学、通院、生活必需品の買い出し、ワクチン接種など、やむを得ない事情がある場合を除き、不要不急の外出・移動を自粛してください。

(2)家庭内での感染防止対策の徹底(特に子どもを守るための対策の徹底)
ワクチン未接種の子どもへの感染拡大が確認されていることから、やむを得ない事情がある場合を除き、子ども連れでの不要不急の外出・移動を自粛するとともに、家庭において子どもへの感染を防止するための対策を十分に講じてください。

SNSでは賛否両論

この要請がニュースで伝えられると、ツイッターでは県に対して批判的な意見が相次いで投稿されました。
「分断や差別を徒に助長するだけです。全く理解できない」

「打たないって人もいれば打てない人もおるんよ。全員に外出自粛でええんやない?」
要請に理解を示す投稿も見られました。
「差別とか区別とかってより未接種者を守る一面はないの?打てない人からすれば、注意喚起としての効果はあると思うけど…」

「自分は当事者だけどなんとも思ってない」

山梨県知事「舌足らずだったと反省」

山梨県には「未接種の人への差別につながるのではないか」などといった意見や問い合わせが、24日午後6時までに電話やホームページを通じて約1800件ありました。

これを受けて、山梨県の長崎知事は25日、会見を開き、要請の意図を改めて説明しました。
(長崎幸太郎 山梨県知事)
「説明が舌足らずだったと反省している。私たちは未接種者の『接種しない』という選択を否定しているわけではなく、接種を勧めること自体は県民の命を守る行政として必要な務めだと考えている。接種できない人、したくない人の考えを肯定したでうえで、本人にはみずからの命を守る行動を取ってほしい。周りの人にはそういう人への配慮をしてほしいというのが要請の趣旨だ」
山梨県は26日、要請の中で「自粛してください」としていた文言を、「不要不急の外出・移動をお控えください」などと変更する対応を取りました。

専門家「打たない権利を最大限尊重するべき」

政府の感染症対策の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、今回の山梨県の要請について次のように話しています。
(舘田教授)
「接種していない人だけを対象としたことで誤ったメッセージとして受け止められてしまったのではないでしょうか。ワクチンを接種していないと、接種した人と比べて感染や重症化のリスクが高く、『外に出るときはより注意してくださいね』というメッセージ自体は間違っていないと思います。ただ、ワクチンを接種しないのは権利だし、打てない人もいるので、差別や偏見が起きないよう、その人たちの権利を最大限に尊重することが第一だと思います」

子どもの接種も対象拡大 悩む親たち

「未接種者」をめぐっては、これから多くの親を悩ませそうな動きがあります。
これまで接種の対象外だった5歳から11歳の子どもも対象に加えることが今月21日、正式に承認されました。
子どものワクチン接種なぁ…これは悩む。次女めっちゃ小さいし。年齢もやけど体型って関係あんのかな。

(ワクチンの接種後)割と私が寝込んだのもあるけど、それを子どもにもさせるのか?っていう葛藤。大丈夫なん…?

自分の時は迷わず接種したけど、子どものこととなると慎重になる
親の判断が子を左右するの、すごく責任が重くて苦しくなる
SNSでは子育て中の親からは不安の声が上がっていますが、感染力が強いとされるオミクロン株は子どもたちの間にも急速に広がっています。

子どものワクチン接種どう考えれば?

子どものワクチン接種を考える際のポイントを先ほどの舘田教授に聞きました。
Q子どもの接種のメリットとデメリットは
A(舘田教授)今回ワクチンの対象となった5歳から11歳は、重症化するリスクが高齢者と比べるとかなり低いことが明らかになっています。一方で副反応のリスクはあります。高齢者と比べると、ベネフィット(恩恵)はそんなになくてリスクがあるということになるので、子どもたちへの接種は慎重になっていいんじゃないかと思います。

Q子どものワクチン接種が先行している海外の状況は
A(舘田教授)子どももワクチンを接種することで感染性の低下が見られるという報告があります。重症化を防ぐ有効性に関しては、子どもはもともと重症化する頻度が低いですから、エビデンスがまだ限られているのではないかと思います。

Q子どもの接種を積極的に考えるべき要素は
A(舘田教授)高齢者などの重症化リスクが高いものの、ワクチン接種をできない人と同居している場合は、子どもに接種させるということも考えていくことが大事になると思います。

Q一度、感染して回復した子どもの接種はどう考えるべきか
A(舘田教授)感染して治った人は強い免疫を獲得しているわけです。そこで、さらにワクチンを打つかどうかを考えるということになると思います。

Q情報が限られる中で判断が難しいという声も
A(舘田教授)子どもに接種するかどうか、お悩みになっている家庭では無理してすぐに打つ必要はないと思います。もう少し様子を見ながら、今後さらに新しい情報が入ってきてから、子どもと保護者が一緒になって考えていくのがいいのではないでしょうか。

もし子どもが感染したら?

クリニック ばんびぃに 時田章史院長
次にわが子が感染してしまったときの対応について、東京小児科医会の理事で、新型コロナに感染した子どもを多く診ている時田章史医師に聞きました。
Q子どもの感染を疑い、病院に連れていく目安は
A(時田医師)オミクロン株の主な症状は発熱とのどの痛みです。平熱より0.5~1℃の体温の上昇や周囲の感染状況から判断して、医療機関を受診してください。発熱があり、水分摂取がままならないほどつらそうな時は、解熱剤を使っても構いません。熱の経緯を観察していただきながら、落ち着いてかかりつけの医師に相談してください。週末や夜間にお子さんが発熱したら、あまり焦りすぎずに様子を見て、高熱が落ち着いた翌日などに受診するといいと思います。受診する際は必ず連絡を入れてからにしてください。

Q子どもの通う学校(塾や習い事教室など)で感染が確認されたら、どうすればいいのか
A(時田医師)地域によっては保健所機能がひっ迫していて、保健所からの指示を待って行動する状況にありません。学校や塾などと連絡をとり、対応がとれればベストです。学級閉鎖やオンライン授業など指示がない場合は通常の生活をしながら、発熱など症状が出た時にかかりつけ医と相談してください。

Q子どもでも重症化することはあるか
A(時田医師)自宅療養や隔離生活に入っているお子さんが多く、肺炎や脱水で入院となるお子さんはあまりいないようです。コロナによる発熱で熱性けいれんが起きた場合でも、病院で様子を見て、状態が落ち着いたら自宅療養に移っていくケースが多いです。今後、さらなる大流行が起きて、コロナにかかる人数が増えたら、その中で重症化するお子さんが出てくる可能性はあります。海外の情報では、高度の肥満や糖尿病、気管支喘息などの持病を持つお子さんはハイリスクと言われています。感染対策により注意が必要です。
(ネットワーク報道部 大窪奈緒子 村堀等 おはよう日本 朝隈芽生)

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