東京・世田谷区にあるスーパー「オオゼキ」では本来なら価格が上がる傾向にある年末にかけてキャベツやだいこんなどの価格が安値になりました。
年末はクリスマスや年越しの需要で例年ですと野菜の価格も上がる傾向にあります。
しかし、去年の秋以降、天候に恵まれて生育が早まったキャベツやだいこん、ほうれんそうなどの野菜は、生産地からの出荷量が増え、年末にかけて安値となりました。
先月下旬のこのスーパーでの主な野菜の価格は、だいこんは、平年の販売価格だと1本あたりおよそ200円のところ、150円、ほうれんそうや小松菜は、1袋あたりおよそ200円のところ、150円、白菜が4分の1にカットされたものでおよそ140円のところ、98円などといずれも値下がりしました。
ことしに入ってからは、生育が早まった野菜の出荷が一巡したことや、感染の再拡大による外食需要の落ち込みへの懸念から出荷量の調整などが行われたため平年並みの価格に戻っているということです。
一方で、じゃがいもや玉ねぎは、生産地の天候不良の影響を受けて平年の価格が、1個あたり30円から40円ほどのところが100円とふだんの倍以上の高値が続いているということです。
市場で買い付けを担当している富田力樹課長は「年末は平年に比べて、品物が多かったので、野菜の値段は、安い傾向にあった。一方で、たまねぎやじゃがいもは雨が少なかった影響で不作となっている」と話しています。
野菜の小売価格 大根や白菜など安く コロナ禍で需要減 農水省
農林水産省は全国の野菜の小売価格を発表しました。秋以降の天候に恵まれたことで大根や白菜などは生育が順調な一方、コロナ禍で需要が減っていることから価格が平年を下回る状況が続いています。
農林水産省は主な8種類の野菜の小売価格をスーパーなど全国の470店舗で毎週調べています。
それによりますと、先週17日から19日の平均の価格は平年に比べて、大根が26%安くなったほか、キャベツが32%、白菜が31%、レタスは21%安くなっています。
これらの野菜は秋以降の気温が高く、日照時間や降水量も適度だったため、生育が順調だったということです。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて主に飲食店などからの需要が減って供給が過剰傾向となったため価格が値下がりしたものとみられています。
これに対して、じゃがいもは平年に比べて32%、たまねぎは62%、高くなっています。
これは主な産地の北海道で夏の高温や乾燥の影響で収穫量が少なかったことが原因です。
農林水産省は「ことしに入り、寒い日が続いている影響で大根などは生育がゆるやかになって出荷量が減り始めている。大根の小売価格は今後、平年並みに戻るのではないか」と話しています。
都内のスーパーでは
大根農家の経営を直撃
神奈川県三浦市の農家、宇田川喜昭さんの畑では、大根の収穫作業が最盛期を迎えています。
ことしは秋以降の気温が高く日照時間や降水量も適切だったことから、例年に比べてできはいいということですが価格の値下がりが経営を直撃しています。
三浦市のJAでは、各地で豊作となっていることや外食需要の低迷などをうけて市場で大根が供給過剰になっていることから価格が大幅に下落することを防ぐため、例年よりも出荷できる大根の基準を厳しくしています。
このため、いつもなら出荷できるサイズが大きいものや曲がったものは廃棄せざるを得ず、宇田川さんの畑の一角には出荷できなくなった大根が山積みにされていました。
宇田川さんは「せっかく育てたのにもったいないと思うが、少しでも出荷が多いと余って価格がすぐ下がるのでしかたがない。コロナの感染が再拡大していてさらに売れなくなってしまうのではないかと心配しています」と話していました。
ことしは秋以降の気温が高く日照時間や降水量も適切だったことから、例年に比べてできはいいということですが価格の値下がりが経営を直撃しています。
三浦市のJAでは、各地で豊作となっていることや外食需要の低迷などをうけて市場で大根が供給過剰になっていることから価格が大幅に下落することを防ぐため、例年よりも出荷できる大根の基準を厳しくしています。
このため、いつもなら出荷できるサイズが大きいものや曲がったものは廃棄せざるを得ず、宇田川さんの畑の一角には出荷できなくなった大根が山積みにされていました。
宇田川さんは「せっかく育てたのにもったいないと思うが、少しでも出荷が多いと余って価格がすぐ下がるのでしかたがない。コロナの感染が再拡大していてさらに売れなくなってしまうのではないかと心配しています」と話していました。