要請でコロナ専用病床確保も 一般診療に影響 長崎の病院

長崎県は、県内の病院に対してコロナ患者専用の病床を拡充するように求めていて、今月22日現在、県内の41の医療機関では合わせて462病床まで確保しました。一方で、医療現場ではコロナ患者専用の病床を増やすために、一般の診療を制限する動きが広がっています。

このうち、症状の比較的重いコロナ患者の受け入れができる「新型コロナウイルス感染症重点医療機関」に指定されている長崎市の済生会長崎病院では、県の要請を受けて今月中旬、コロナ患者専用の病床を5床から4倍余りの21床に増やす決定をしました。

一方で、コロナ患者専用の病床を増やすにあたって、感染拡大を防ぐため、同じフロアにある一般診療用の20床が使用できなくなりました。

そして、フロアにいたコロナ患者以外の入院患者は転院などの措置を余儀なくされたということです。

また、専用フロアではスタッフの出入りを最小限にするため、シーツの洗濯やゴミ捨てといった作業も、診療にあたる看護師などが担うことになり、一般の診療よりも業務量が増えています。

このため、1人が担う業務量は限界に近づいていて、現在の体制ではこれ以上病床数を増やすのは難しいということです。
済生会長崎病院の衛藤正雄院長は「軽症者が多くても感染する人が多ければ、当然その中から入院が必要な患者が出てくる。コロナ病床を増やすことで一般診療の病床は減るので、患者に入院を延期してもらったり、救急の患者が受け入れられなかったりという、しわ寄せが来ている」と話していました。