“想定超える感染スピード” 中等症病床を倍増 東京医科歯科大

オミクロン株の急拡大で、東京の大学病院は中等症患者の病床が、ほぼ満床状態になり、24日からベッド数を倍増させて対応することになりました。
一方、病棟の開設にあたって一般の患者をほかの病棟にすぐに移動できないなど、当初の計画どおりに進まず、医師は「オミクロン株の感染スピードは想定を超えている」と危機感を強めています。

新型コロナの中等症と重症の患者を受け入れている、東京 文京区の東京医科歯科大学病院は、24床ある中等症のベッドがほぼ満床状態になり、一時、受け入れを断らざるをえない状況になりました。
こうしたことから、24日から中等症のベッドをおよそ5か月ぶりに、ほぼ倍の49床に増やす対応を取りました。
病室はウイルスが外に漏れ出さないように「陰圧装置」が備え付けられていて、東京医科歯科大学病院の植木穣病院長補佐は「できるかぎりの患者を受け入れ、しっかり対応したい」と話しています。

一方で、オミクロン株の急拡大で、病床の確保にあたって計画どおりに進まない事態も起きました。
第5波では、やむなく一般診療を制限してコロナ患者の対応に当たらざるをえなかったことから、病院は患者数を予測して、コロナ病床を徐々に増やしていき、一般診療に影響が出ないように余裕を持った態勢で受け入れを行う計画を作りました。
しかし、入院患者が想定を上回るペースで増加し、中等症の病床を一気に上限の49まで引き上げざるをえなくなり、24日午前中には、開設予定だったコロナ病床に一般患者が5人残ったままで、部屋の清掃も終わっていないなど、計画どおりにコロナ病床を拡大できなかったということです。
その後、治療後の経過観察に入っている患者の退院を早めるなどして、午後にはコロナ病床を拡大できましたが、オミクロン株の急拡大は想定を上回る事態になっています。

植木病院長補佐は「オミクロン株の急拡大は想定以上になっている。なんとか一般診療に影響が出ないように進めていくが、患者がどこまで増えていくのか懸念は大きい」と話しています。