緊急避妊薬 「内診」など具体的検査方法記述 添付文書から削除

性行為のあと72時間以内に服用することで妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について厚生労働省は薬の添付文書を改訂し、「内診」など処方の際に行う具体的な検査方法の記述を削除することを決めました。
「特定の検査が一律に必要だとすることで、服用の機会を逃すおそれがある」としています。

緊急避妊薬は、性行為から72時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を防ぐことができるとされ、国内では医師の診察を経て処方を受ける必要があります。

すでに妊娠している場合は処方の対象とならないため、薬の取り扱い説明書である「添付文書」には、医師の指や器具で体の中を診察する「内診」や尿検査などを行って妊娠の有無を確認するよう定められていますが、「内診」は女性にとって心理的な負担が大きいなどとして市民団体から添付文書の改訂を求める声が上がっていました。

厚生労働省は、24日開いた専門家部会で「特定の検査が一律に必要だとすることで、服用の機会を逃すおそれがある」として、「内診」など具体的な検査方法についての記述を添付文書から削除することを決めました。

また、添付文書には、妊娠中に誤って服用してしまった場合、女性胎児の外性器の男性化や男性胎児の女性化が起こることがあると書かれていますが、海外での研究で胎児への異常は認められなかったとしてこの記述も削除するということです。

緊急避妊薬をめぐっては、医師の処方箋がなくても服用できるよう薬局での販売を求める声が上がり、厚生労働省の有識者会議で議論が進められています。

改訂求めていた団体の共同代表「利用しやすくなると期待」

添付文書の改訂を求めていた「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」共同代表の染矢明日香さんは「今でもすでにオンライン診療などを通して問診のみで緊急避妊薬が処方されるようになっているが、添付文書に「内診」と書いてあることで女性が受診をためらったり、医療機関側が『うちでは対応できない』と考えて薬の取り扱いを諦めたりしたところもあるのではないか。記述が削除されることで、女性の日常に関わる薬が広く取り扱われるようになり利用しやすくなると期待している」と話していました。

日本産婦人科医会常務理事「改訂に異論はない」

日本産婦人科医会の安達知子常務理事は「妊娠の有無の確認にあたっては複数の方法があり、添付文書で具体的な方法を示す必要はないため改訂に異論はないが、内診などの検査が不要だというわけではない。問診だけでは妊娠を見逃すおそれもあり、妊娠していることに気付かないまま時間が経過すると、体に負担の大きい中絶をせざるを得なくなったり中絶できない時期に至ったりすることもある。女性の体を守るためにも服用の際にはできれば産婦人科を受診してほしいし、服用3週間後には妊娠していないか確認するなど丁寧なフォローを行っていく必要がある」と話していました。