核兵器禁止条約発効1年 ICAN「条約強化へ日本の貢献に期待」

核兵器の開発や保有、使用などを禁止する核兵器禁止条約が発効して22日で1年となりました。
条約の成立に貢献しノーベル平和賞を受賞した、国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのフィン事務局長は、世界各地で緊張が高まる今こそ、条約の強化に取り組むべきだとして、日本の貢献に期待を示しました。

1年前に発効した核兵器禁止条約は、これまでに59の国と地域が批准する一方で、アメリカやロシアなどの核保有国やアメリカの核の傘のもとにある日本などは参加していません。

NHKのインタビューに応じた、ICANのベアトリス・フィン事務局長は、条約の参加国が増えていることを評価する一方、核保有国が兵器の近代化を進め、アメリカと中国、ロシアとの対立が各地に緊張を広げている現状に強い懸念を示し、「核兵器が実際に使われる脅威は年々増している。今こそ、核軍縮や禁止条約の強化に取り組むことが急務だ」と述べました。

さらに、ことし3月に予定されている初めての条約の締約国会議に、条約に参加していないドイツやノルウェーなどがオブザーバーとして参加する意向を示していることを歓迎したうえで、「会議では核実験の被害者などの支援について具体的な議論が行われる見通しで、日本は、この分野で高度で専門的な知識を持っており、政治的な立場にかかわらず条約に貢献できる」と述べ、日本も会議に参加することに期待を示しました。

ICANの呼びかけで署名活動

核兵器禁止条約の発効から1年となった22日、核保有国の1つ、フランスでは、ICANの呼びかけで、政府に締約国会議へのオブザーバー参加を求める署名活動が行われました。

フランスは核兵器禁止条約を批准しておらず、「国際的な安全保障の文脈に適さない条約であり、段階的な核軍縮への現実的なアプローチを弱体化させるものだ」として、ほかの核保有国と同じように支持しない立場を取っています。

このうち首都パリでは、核問題に取り組むNGOのメンバーなどが、通りがかりの人たちにチラシを配り、条約の意義や重要性を訴えていました。

署名活動に参加したNGOのネリー・コストカルドさんは「ほとんどのフランス人は核兵器禁止条約の存在すら知らないと思います。政府は条約を批判するのであれば、締約国会議に少なくともオブザーバーとして参加し、会議の中でほかの国と議論すべきです」と話していました。

国連の軍縮部門トップ「核廃絶へ 日本も行動を」

核兵器禁止条約の発効から1年となったことについて、国連で軍縮部門のトップを務める中満泉事務次長は、22日、自身のツイッターに「この条約は、核廃絶を進める力となる重要なもので、これを追い風として核兵器廃絶への努力を倍増しなければならない。唯一の戦争被爆国である日本でも、さらなる議論と行動を期待している」と投稿しました。