日銀黒田総裁ら新型コロナやインフレ対応など世界経済を議論

日銀の黒田総裁らが参加して世界経済の見通しを議論するオンラインの会合が開かれ、新型コロナウイルスの影響やインフレへの対応など、世界的な課題をめぐって意見が交わされました。

会合は、感染拡大の影響で延期になった「ダボス会議」に先立つオンライン会合の一環として世界経済フォーラムが21日に開きました。

この中で、IMF=国際通貨基金のゲオルギエワ専務理事は「新型コロナの変異株の拡大が経済回復の勢いを弱めているほか、想定より高いインフレが世界的に続いている」と述べたうえで、アメリカの金融政策の転換が新興国などに及ぼす影響に警鐘を鳴らしました。

また、ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は先月のユーロ圏の消費者物価の伸び率がこれまでで最も高い5%に上ったことに触れ「長い間、低いインフレ率に悩まされてきたこともあり、際立つ数字だった。これがいつまで続くのか、自問しなければならない」と述べました。

ただ、物価高に拍車をかけているエネルギー価格の高騰はことし次第に落ち着き、インフレ圧力の低下につながるとの見通しを示しました。

一方、日銀の黒田総裁は、「日本は欧米と対照的な状況だ。2%の物価目標を早期に達成したい」と述べて、大規模な金融緩和策を粘り強く続ける考えを強調しました。

「ダボス会議」は2年4か月ぶりにことし5月開催へ

世界経済フォーラムは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1月から延期となっていた「ダボス会議」について、ことし5月22日から26日までスイスのダボスで開くと発表しました。

ダボス会議は政財界のトップらが集まる世界経済フォーラムの年次総会で新型コロナウイルスの影響で去年は中止されたため、開催されれば2年4か月ぶりとなります。