オミクロン株「肺炎など重い症状は1年前より低い割合」 感染研

オミクロン株の感染が拡大している今月、肺炎などの重い症状になっている感染者の割合は、従来の新型コロナウイルスが広がった1年前の10分の1ほどだったほか、アルファ株やデルタ株などが拡大した時期よりも低いとする分析結果を国立感染症研究所がまとめました。

国立感染症研究所は、今月19日までに届け出のあった東京都など1都3県の新型コロナの患者のデータをもとに届け出の時点で肺炎など重い症状だった人の割合を感染拡大の時期ごとに比較しました。

その結果、重い症状だった感染者の割合は、従来のウイルスが広がった去年1月初めまでのおよそ1か月半と比較すると、
▽アルファ株が拡大した時期には1.14倍、
▽デルタ株が拡大した時期には0.73倍でしたが、
▽オミクロン株が拡大している今月は、0.12倍と低くなっていました。

年代別では、
▽10代以下で0.53倍、
▽20代から30代で0.25倍、
▽40代から50代で0.13倍、
▽60代から70代で0.18倍、
▽80代以上で0.34倍といずれの年代でも従来のウイルスやほかの変異ウイルスの時期より低くなっています。

一方で今月、肺炎以上の重い症状がみられた人は、
▽10代以下の感染者の0.15%、
▽20代から30代では0.26%、
▽40代から50代は0.44%と少なかった一方、
▽60代から70代は1.51%
▽80代以上は4.66%と年代が上がるごとに多くなっていました。

国立感染症研究所の鈴木基 感染症疫学センター長は「ワクチンなどの影響もあるが、先月末以降の急速な重い症状の割合の低下は、オミクロン株自体の重症化リスクが低いことを反映している可能性がある」としています。