参院代表質問 岸田首相 統計データ書き換え“信頼回復に全力”

参議院本会議の代表質問で、岸田総理大臣は、国土交通省が国の統計の中でも特に重要な「基幹統計」のデータを書き換えていた問題について、極めて遺憾だとして、検証委員会の報告書を踏まえて、政府統計に対する信頼回復に全力で取り組む考えを示しました。

維新 浅田参議院会長 コロナ関連予算について

日本維新の会の浅田参議院会長は「令和元年度と2年度のコロナ関連予算は、およそ22兆円が未執行に終わった。予算が余るのであれば国債発行を抑制するか、減税するべきではないか。国難と言えるコロナ禍において、消費税大減税の経済対策を行うべきだ」と述べました。

これに対して、岸田総理大臣は「新型コロナ対策は感染の影響が不明な中で万全な対応を期すため、十分な措置を行った。予定した年度内に支出に至らなかったものもあるが、足元ではおおむね着実に執行している。消費税は社会保障の財源として位置づけられており、当面触れることは考えていない」と述べました。

共産 小池書記局長 3回目接種について

共産党の小池書記局長は、新型コロナワクチンの3回目接種について「遅れに遅れている。接種の6か月後から抗体価は下がり、政府が当初、原則8か月後としたことに医学的な根拠はなかったのではないか。このままでは第6波のピーク前の感染抑制には到底、間に合わないのではないか」とただしました。

これに対して、岸田総理大臣は「接種間隔はワクチンの予防効果に加え、自治体の準備期間やワクチンの供給力など、厚生労働省の審議会での意見を総合的に勘案したうえで、原則8か月以上とした。オミクロン株の流行を踏まえ、高齢者以外の一般の方も1か月前倒しをして、余力ある自治体では順次できるだけさらに前倒ししていく」と述べました。

社民 福島党首 統計データ書き換え問題について

立憲民主党と会派を組む社民党の福島党首は、国土交通省が国の統計の中でも特に重要な「基幹統計」のデータを書き換えていた問題について「長期的に二重計上が継続したことは不自然だ。いつ、誰が、どのような目的で、改ざんを命じたのか改めて調査すべきではないか」とただしました。

これに対して、岸田総理大臣は「不適切な処理が明らかになり、極めて遺憾だ。統計の学者のみならず、元検事や弁護士からなる第三者委員会で徹底的に検証が行われたと考えている。今回の報告も踏まえ、政府統計に対する信頼回復に全力で取り組んでいく」と述べました。

自民 宇都氏 4か国首脳会合について

自民党の宇都隆史氏はクアッドと呼ばれる日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国による首脳会合について「ことし日本で開催されることになっているが、これを機に外務・防衛の閣僚協議を初めて開催し、定例化を提案してはどうか」と質問しました。

これに対して、岸田総理大臣は「同盟国、同志国と連携し、自由で開かれたインド太平洋を力強く推進する決意だ。みずから先頭に立って、4か国で緊密にすり合わせを行い、ワクチンやインフラといった種々な分野での協力を深めていく。協力の進め方については、不断に検討をしていきたい」と述べました。

また、岸田総理大臣は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みに関連して「あらゆる選択肢を活用する考えのもと、日米間の協力がさまざまな形で進んでいることも含め、小型原子炉や高速炉をはじめとする革新的な原子力開発などの取り組みを着実に進めていく」と述べました。

公明 山口代表「極めて丁寧な答弁」

公明党の山口代表は、記者団に対し「ワクチンや治療薬の国内開発の体制について、トップレベルの水準を目指して支援していくことや、核廃絶に向けた国際賢人会議の創設について、きょう行われるアメリカのバイデン大統領とのテレビ会談でも確認することなど、極めて丁寧に答えていただいた」と述べました。

一方で「アジアにおける安全保障対話の枠組みについては、既存のものを活用するとの答弁だったが、不十分だから新たな取り組みを提言した。常設的な枠組みづくりを日本がリードするよう強く望む」と求めました。

維新 浅田参議院会長「新型コロナ対応 後手に回っている印象」

日本維新の会の浅田参議院会長は、記者会見で「新型コロナの感染がここまで拡大しているなかでは、法律上の扱いを引き下げて、近くの病院や町のお医者さんに診てもらえる体制にすることが最も重要だが、きょうの答弁を聞くかぎり、旧来の保健所を中心に対応するというところからシフトしておらず、後手に回っている印象を持った」と述べました。

共産 小池書記局長「アベノミクスの継続」

共産党の小池書記局長は、記者会見で「岸田総理大臣の答弁は何を聞いてもどっちつかずで答えになっていない。新自由主義の弊害を乗り越えると言うが、具体的には全く新しいものを示さず、むしろ今までのアベノミクスの継続だということがわかった。予算委員会では、社会保障の削減や年金の減額など、個別問題を徹底的に追及していく」と述べました。