小池都知事“重点対策に協力を”感染拡大「黄色から赤信号に」

東京都の小池知事は記者会見で、21日から都内全域にまん延防止等重点措置が適用されたことについて「黄色から赤信号に変わる」と述べ、感染拡大への危機感を示し、対策への協力を重ねて呼びかけました。

記者会見では、小池知事が座る席のうしろに黄色と赤の下地に「重点対策実施中」と書かれた横断幕が掲げられました。

小池知事は「『黄色から赤信号に変わる』という意味も込めて作った。思いは都民や事業者と共有したい」と述べ、感染拡大への危機感を示しました。

さらに、飲食店に要請する時短営業について「飲食店の皆さんが非常に厳しいことはよく分かっている。これまでも、よくご協力いただいてきた。今回は選択制としたが、お店の考え方によって利用していただければと思う。ご理解とご協力をお願いしたい」と述べました。

そして、協力を着実に得るため、週明けの24日から都の職員などによる見回りを始めることを明らかにしました。

一方、20日時点で28.9%だった都内の病床使用率が50%になった段階で、緊急事態宣言の発出の国への要請を検討する方針について「基本的には、その段階で検討することとしている」と述べ、維持している考えを示しました。

そのうえで「評論はいいが実行してほしい。 国からは『頑張ってください』と励ましのことばもいただいているが、いただきたいのは、やはり『3種の神器』で、ワクチン、飲み薬、中和抗体だ。それらの確保と確実で重点的な供給を行っていただきたい」と述べました。

“尾身発言”は基本的対処方針超え 政府で整合性を

東京都は、まん延防止等重点措置が適用された21日から、不要不急の、外出や都道府県間の移動の自粛などを求めています。

一方、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長は19日、報道各社の取材に対し「オミクロン株の特徴にあったメリハリのついた効果的な対策が重要だ。これまでの『人流抑制』ではなく『人数制限』というのがキーワードになると考えている」と発言しました。

東京都の小池知事は記者会見で、尾身会長の発言について「人との接触の機会の削減や不要不急の都道府県間の移動の自粛は、政府の基本的対処方針に書かれていることだ。われわれは法律が定める、そして、それに準拠するさまざまな手続きに従って、その範囲内で物事を決めるしかない。それを超えると『それはできません』と政府から返ってくる」と述べました。

そのうえで「尾身会長が言っているのは、それを超えたことで、国と尾身会長、分科会の専門家の方で整合性をとっていただきたい」と述べました。