新型コロナ新規感染者数 1週間平均 前週比 全国でも急拡大続く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、21日から新たにまん延防止等重点措置の対象となった13の都県では急激に感染が拡大していて、全国でもこれまでにない規模で感染の急拡大が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月23日までの1週間では前の週に比べて1.45倍、
▽先月30日まででは1.60倍と1.5倍前後で推移していましたが、
▽オミクロン株の感染が広がった今月6日まででは4.86倍、
▽今月13日は6.68倍と急激なペースで増加しました。
▽今月20日まででは3.20倍で依然として感染拡大が続いています。

20日までの1週間の一日当たりの新規感染者数はおよそ3万470人と、流行の「第5波」となった去年8月下旬を超えてこれまでで最も高い水準となっていて感染者数はほぼすべての都道府県で増加しています。

重点措置がすでに適用地域

今月9日からまん延防止等重点措置が適用されている3つの県では感染者数は横ばいか、増加傾向となっています。

【沖縄県】
▽今月6日までの1週間は前の週の10.86倍、
▽今月13日は4.62倍と急激な拡大が続いていましたが、
▽今月20日まででは0.96倍と高い水準のまま、ほぼ横ばいとなっています。

ただ、厚生労働省の専門家会合では、沖縄県について、検査体制のひっ迫などにより、実際の感染者数よりも報告数が少なくなっている可能性に注意する必要があるとしています。

一日当たりの新規感染者数は1338人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は全国で最も多い664.60人となっています。

【広島県】
▽今月6日までの1週間は前の週の36.67倍、
▽今月13日は6.53倍、
▽今月20日まででは1.85倍で引き続き増加傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1138人、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は284.20人となっています。

【山口県】
▽今月6日までの1週間は前の週の14.30倍、
▽今月13日は2.39倍、
▽今月20日まででは1.61倍と引き続き増加傾向となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ259人、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は133.65人となっています。

新たに重点措置の地域

21日から新たに重点措置が適用された地域では、これまでにないペースで感染が拡大しています。

1都3県

首都圏の1都3県では、いずれも今月に入ってから感染が急拡大しています。

【東京都】
▽今月6日までの1週間は前の週の4.48倍、
▽今月13日は6.90倍、
▽今月20日まででは3.58倍と急拡大が続いています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ5386人と、これまでで最も多く直近1週間の人口10万当たりの感染者数は270.84人となっています。

【神奈川県】
▽今月6日までの1週間は前の週の2.23倍、
▽今月13日は8.47倍、
▽今月20日まででは4.17倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1989人となっています。

【埼玉県】
▽今月6日までの1週間は前の週の4.42倍、
▽今月13日は8.87倍、
▽今月20日まででは3.80倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1572人となっています。

【千葉県】
▽今月6日までの1週間は前の週の6.00倍、
▽今月13日は7.87倍、
▽今月20日まででは3.83倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1241人となっています。

中部

中部地方でも、感染が急拡大しています。

【愛知県】
▽今月6日までの1週間は前の週の5.39倍、
▽今月13日は9.73倍、
▽今月20日まででは4.12倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1884人となっています。

【岐阜県】
▽今月6日までの1週間は前の週の30.00倍、
▽今月13日は6.77倍、
▽今月20日まででは3.53倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ307人となっています。

【三重県】
▽今月6日までの1週間は前の週の5.33倍、
▽今月13日は27.31倍、
▽今月20日まででは3.84倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ240人となっています。

九州

長崎県や熊本県、宮崎県でもこれまでにないペースで感染が急拡大しています。

【長崎県】
▽今月6日までの1週間は前の週の8.50倍、
▽今月13日は13.18倍、
▽今月20日まででは4.23倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ271人となっています。

【熊本県】
▽今月6日までの1週間は前の週の30.00倍、
▽今月13日は26.87倍、
▽今月20日まででは4.49倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ517人となっています。

【宮崎県は】
▽今月13日までの1週間は前の週の21.50倍、
▽今月20日まででは5.51倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ169人となっています。

群馬・新潟・香川

群馬県や新潟県、香川県でも感染が急拡大しています。

【群馬県】
▽今月6日までの1週間は前の週の1.25倍、
▽今月13日は5.85倍、
▽今月20日まででは2.87倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ358人となっています。

【新潟県】
▽今月6日までの1週間は前の週の1.54倍、
▽今月13日は9.28倍、
▽今月20日まででは2.90倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ308人となっています。

【香川県】
▽今月6日までの1週間は前の週の9.00倍、
▽今月13日は7.19倍、
▽今月20日まででは3.56倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ99人となっています。

重点措置以外の地域

重点措置の対象とはなっていないものの、関西や北海道でも感染の拡大が続いています。

【大阪府】
▽今月6日までの1週間は前の週の4.57倍、
▽今月13日は6.67倍、
▽今月20日まででは3.92倍と急激な拡大が続いています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ4322人とこれまでで最も多く、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は343.46人となっています。

【京都府】
▽今月6日までの1週間は前の週の2.79倍、
▽今月13日は5.64倍、
▽今月20日まででは3.57倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ906人となっています。

【兵庫県】
▽今月6日までの1週間は前の週の2.89倍、
▽今月13日は9.86倍、
▽今月20日まででは4.73倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1540人となっています。

【北海道】
▽今月6日までの1週間は前の週の1.41倍、
▽今月13日は5.35倍、
▽今月20日まででは5.32倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ829人となっています。

東邦大 舘田教授「現状超えるような感染者数しばらく続く」

新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「先週、今週の比で見ると増加のスピードが少し減少しているようにみえるかもしれないが、感染者数は過去最高を更新していて、現状を超えるような感染者数がしばらく続くと考えておかなくてはならない」と話しています。

各地の状況については「東京都は、一日当たり8600人を超えており、非常に注意しなければいけない状態になっている。首都圏の1都3県全体で同様の傾向がみられるため、ここでしっかりと抑え込むことが重要だ。沖縄県は感染者数がまだ非常に多く、高止まりのような状態で決して安心できない。検査が十分に行われなくなっていたり、報告の遅れの可能性もあり、今後も注意が必要だ」と話しています。

また、オミクロン株への対策について「オミクロン株は重症になる人が少ないのは見えてきているが、感染者数が爆発的に増加してしまうと一定の割合で重症者が出てくる。マスクを外して長時間、おしゃべりをする、大声を出すような場所で感染が起きていることが明らかになってきているので、濃厚接触を起こすような場での人数制限などに焦点を当てた対策にシフトしていく必要があるのではないか。飲食を楽しむ場合は、家族やいつもの仲間で少人数、第三者認証を受けた換気を徹底した店で短時間にすることなどが重要だ」と話しています。