オミクロン株急拡大 若い世代 検査せず症状だけで診断も検討

急激な感染拡大を起こしているオミクロン株の対策について、新型コロナウイルス対策にあたる専門家らは、さらに感染者が急増した場合には医療や検査がひっ迫する可能性があるとして、重症化リスクの低い若い世代は検査を行わず、症状だけで診断することを検討し、重症化するリスクがある高齢者などの医療を確保すべきだとする見解をまとめました。

感染拡大のペースが速い一方、特に若い世代で重症化する割合が低いとして、「人流抑制」ではなく、感染リスクが高い場面や場所での「人数制限」など、オミクロン株に応じた効果的な対策をとるべきだとしています。

この見解は、政府の分科会や厚生労働省の専門家会合のメンバーなどがまとめました。

この中では、感染拡大のスピードが極めて速いオミクロン株について、各国のデータを見ても感染拡大から遅れて重症者や亡くなる人が増加している一方、基礎疾患がない50歳未満の人の多くは症状が軽く、自宅療養で回復していると指摘しています。

こうした特徴を踏まえ、専門家らは医療のひっ迫が起きない程度に感染者数をおさえ、医療や教育など社会機能への影響を最小限にしながら、重症化リスクのある人への医療を確保することで亡くなる人の数を最小化することが対策の目的になるとしています。

そのうえで、高齢者など重症化リスクのある人への医療を確保し、コロナ以外の一般診療とも両立する必要があり、今後、感染がさらに急増した場合は医療や検査がひっ迫する可能性があるため、若い世代については検査せずに症状だけで診断を行うことを検討すべきとしています。

また、オミクロン株では、3密を避けることが守られていない、大人数で大声を出す換気の悪い場所での会食やパーティーなどで多くのクラスターが起きているとしていて、外出自粛といった「人流抑制」ではなく、感染リスクの高い場面での接触機会を減らす「人数制限」が必要だとしています。

一方でクラシックコンサートやスポーツ観戦などについてはこれまで行ってきた基本的な対策を徹底し、都道府県をまたぐ移動自体は制限する必要はないものの、移動先での感染リスクの高い行動は控えてほしいと呼びかけています。